2023 Fiscal Year Research-status Report
ブランドの存在意義を基軸としたブランディング研究:DtoCブランドを対象に
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21K01755
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 祥司 摂南大学, 経営学部, 准教授 (70704922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 広行 同志社大学, 商学部, 教授 (00580325)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マーケティング / 消費者行動 / ブランド・オーセンティシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,メディアの多様化に伴って,ブランディングのやり方が変わってきた。とりわけ,SNSなどのデジタルメディアを用いながら,ブランドの存在意義(ブランド・パーパス)を伝え,このブランド・パーパスに対して消費者からの共感を得ることを狙う企業が増えている。一方,メディアの多様化は,自社ECサイトやSNSなどのデジタルメディアを通じてブランディングを行うDtoC(Direct to Consumer)という新たなビジネスモデルを生み出した。今後,DtoCにおける競争の激化が確実視されるなか,DtoCブランドが生き残るためには,新たなブランディング戦略が重要となってくる。しかしながら,DtoCを念頭においたブランディング戦略を確立するための枠組みは,未だ明確になっていない。そこで本研究は、DtoCブランドという先端事例を対象にしながら,「ブランド・パーパス」を基軸としたブランディング戦略枠組み」を提唱するものである。 令和5年度は,①架空ブランドのシナリオを用いた研究,②非日常におけるオーセンティックな経験とブランド選択に関する研究,③非日常における記憶に残る経験とブランド選択に関する研究,④消費者の購買意思決定プロセスにおけるインスピレーションに関するレビュー研究を行った。①~③の研究成果から,研究計画調書で示した「ブランド・オーセンティシティ」「ブランドへのこだわり」という概念の重要性を改めて確認するに至った。同時に「自己一致性」による調整効果も確認した。④の研究結果から,デジタルメディアによる外部刺激を捉える概念としてインスピレーションの応用可能性について示唆した。上記をふまえ,今後,時代に沿ったブランディング戦略枠組みを検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は,量的研究を進めることができた。一方,質的研究(企業を対象としたインタビュー調査)の実施には至っていない。質的研究と量的研究の両方の成果をふまえたブランディング戦略枠組みを検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,企業へのインタビュー調査と質問票調査を予定している。企業へのインタビュー調査と昨年度に実施した質問票調査の結果をふまえたブランディング戦略枠組みを検討する。加えて,当該戦略枠組みを想定した質問票調査を実施し,枠組みの精緻化をはかる予定である。
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Causes of Carryover |
計画をしていた企業を対象としたインタビュー調査が行えなかったことによるものである。この計画は,令和6年度において実施する予定であり,その調査において使用することを見込んでいる。また検討したブランディング戦略枠組みの精緻化を目的に新たな質問票調査を実施する予定である。
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