2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K01870
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 紘子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30725114)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メディア / アメリカ / パブリック・ディプロマシー / ジャーナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の米国の対外政策において、メディアは重要度を増している。米中関係では「二つの科学的権威の争い」、具体的には、知的財産の盗難や侵害、情報技術や人工知能、5Gもしくは6Gの通信規格、半導体技術を巡る争いとして表面化した。そして「科学的権威の争い」と平行し、社会の価値観や文化の優位性を巡る争いも先鋭化した。このような事象について、米国メディアがどのような報道を行い、国内外のオーディエンスの言論空間を創り出そうとし、両国関係に影響しているのか。本研究では、このような問いを、実証的な研究手法を用いて検討していく。「科学的権威の争い」と平行して、社会の価値観や文化の優位性を巡る争い、例えば、メディアの表現の自由に関する問題が、米国政府や米国メディアから強く、そして頻繁に指摘される。このような新しい時代の冷戦、いわば思想戦において、米国側はどのようなアプローチをとるのか。米国メディアが、人権問題、文化、テクノロジー、経済対立、軍事問題、新型コロナウィルスの6つの項目を、どのように報道したのかについて検討を進めている。 これまでの米中関係において、メディアがどのような役割を果たしてきたのかという点に関する研究成果については、2022年度に国際文化政策学会(International Conference on Cultural Policy Research)において、口頭発表のかたちで公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画において、研究対象としてきたメディアにアクセスをしたが、データの収集やその分析に時間を要している。また、コロナウィルス感染症の世界的な流行により、実施困難となった調査項目があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
各メディアのウェブサイトに蓄積されているコンテンツにおけるデータ収集に、より力をいれていく。具体的には、映像コンテンツを、MP4の形式でダウンロードし、音声をMP3の形式で抜き出し、専用のソフトウェアで 文字起こしを行う。映像については、テーマごとに代表的なものに絞って分析を行う。テクストおよび映像の分析を進めつつ、研究成果を国内外の学会において発表していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、当初予定していた旅費の支出がなくなったため。
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