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2022 Fiscal Year Research-status Report

個人化社会における公共圏・親密圏の変容とジェンダー―ライフヒストリー分析から―

Research Project

Project/Area Number 21K01876
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

杉原 名穂子  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00251687)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村尾 祐美子  東洋大学, 社会学部, 准教授 (20408959)
喜多 加実代  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (30272743)
千田 有紀  武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
石川 由香里  立正大学, 文学部, 教授 (80280270)
中西 祐子  武蔵大学, 社会学部, 教授 (90282904)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords個人化 / ジェンダー / 社会関係資本 / 家族 / 第二の近代
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は大きくわけて二つの柱で研究をすすめた。一つは研究会を4回開催し、先行研究や社会情勢の分析、理論枠組みの検討を行うこと、もう一つはライフヒストリーについての聞き取り調査を開始することである。
研究会では個人化社会、第二の近代とよばれる現代社会について注目すべき新たな状況について議論を行った。ネオリベラリズムの浸透、ポストフェミニズム、第三波や第四波フェミニズムといわれる状況について、多様性とジェンダー問題の複雑な関係、性役割文化がどのように変わったか変わっていないか、政治家や管理職などの権力資源の領域と格差社会や賃金など経済資源の領域でジェンダー問題はどのように違うか、シングルの増大など人間関係が変化しつつあることとジェンダーの問題など議論し、今後成果をまとめるにあたっての知識の共有をはかった。
聞き取り調査については周囲のコネクションを用い、70-80代の女性、40-50代の男女、20代の女性の合計11名に予備的な聞き取りを行うとともに、2022年8月に新潟在住の4名の女性に最初のライフヒストリー調査を実施した。対象者は70代の女性3人と50代の女性1人である。70代の女性は戦後の日本社会とともに育った世代であり、家族、学校、職場、地域社会とも女性の活動を制限するジェンダー規範がかなり強く、家意識、家業の手伝い、嫁ぎ先での暮らし、衣服や身の回りの出来事など、時には戦前との連続性と結びつけながらさまざまな語りが得られた。ジェンダー規範の強さに自覚的な発言が多かった。50代の女性はバブル世代にあたるが、ジェンダー規範が当たり前となっていた社会状況、個人的な戦略などが強調される話となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

聞き取り調査の開始が新型コロナの感染拡大によりほぼ1年遅れている。特に、何らかの組織に属している方でなく、市井の一般市民を調査対象とするため、対象者にアプローチし、アポイントを取ることを控えたのがその大きな要因である。ウィズコロナの動きが出てきた状況をみはからって、2022年度にはいりまず新潟市の方から対面での調査を開始した。東京都については新型コロナ問題に加え、インフォーマントとの橋渡しをする研究分担者が健康を害したため、現在調査が止まっている。また研究分担者が遠隔地で分散しているが、地域間の往来を制限したことも調査を少し控えた理由の一つである。

Strategy for Future Research Activity

昨年度と同じく二つの柱ですすめていく。調査することとそのデータにもとづき研究会を開催し分析と成果についての議論をすることである。調査について、新潟市はまだ警戒が強い地域だが、様子をみながら今年度さらに調査を広げていく予定である。東京都については研究分担者の健康問題は引き続きあるものの、代表者が中心となってアポイントを取ること、また東京在住の研究分担者が多いことからそのメンバーらが主体的に調査を実施すること、などの手段を講じて対処する。
2022年度の新潟市の調査では70代の女性は農家の人も多かったが50代の女性一人は転勤族で地域や親族とのつながりも薄く、それがライフヒストリーにかなりの違いをもたらした。それをふまえ、地域の情報をどのように考察に加えるか検討していく。またさらに若い世代や男性へも調査を広げ可能なかぎり実施する。聞き取り調査を最初に依頼したときから2年ほど年月がたったため、調査の承諾を得ることが難しいかもしれないが、まず予定していた方にアプローチを行う。手探りな部分は大きいが、まずできる限りの聞き取りのデータを集めることに集中する。

Causes of Carryover

新型コロナ感染により予定していいた聞き取り調査を遅らせていることが原因である。調査にかかわる謝金、文字起こし代金が翌年度に繰り越された。2023年度には調査をさらに進めていく計画で調査に関連する費用を計上する。またこれまで研究チーム同士の地理的な移動を控えてきたが、感染状況をみながら移動しての聞き取り調査の参加や対面での研究会の開催も考慮し旅費の申請を行った。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] より多くの女性に届く仕事と家庭の両立支援のために2023

    • Author(s)
      喜多加実代
    • Journal Title

      JP総研リサーチ

      Volume: 61 Pages: 34-45

  • [Journal Article] 子どもを通じての母親の社会関係資本の形成2023

    • Author(s)
      石川由香里
    • Journal Title

      立正大学文学部研究紀要

      Volume: 39 Pages: 121-137

  • [Journal Article] 第1回法制審議会家族法制部会におけるドメスティック・バイオレンス(DV)にかかわる議論2022

    • Author(s)
      千田有紀
    • Journal Title

      武蔵大学総合研究機構紀要

      Volume: 31 Pages: 33-39

  • [Journal Article] 公務員の採用選考と性別情報 : 差別と闘うツールとしてのジェンダー統計2022

    • Author(s)
      村尾祐美子
    • Journal Title

      大原社会問題研究所雑誌

      Volume: 763 Pages: 33-48

    • Peer Reviewed
  • [Book] 社会学の力(改訂版)2023

    • Author(s)
      友枝敏雄・浜日出夫・山田真茂留 編
    • Total Pages
      323
    • Publisher
      有斐閣
    • ISBN
      4641174814

URL: 

Published: 2023-12-25  

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