2023 Fiscal Year Research-status Report
Acceptances of Foreign Industrial Workers into Aging Rural Areas in Japan: Japanese Brazilians, Technical Interns and Policies of Local Governments
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21K01888
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
上林 千恵子 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (30255202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚崎 裕子 大正大学, 社会共生学部, 教授 (70334638)
眞住 優助 金沢大学, GS教育系, 准教授 (50747582)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 外国人労働者 / 技能実習生 / 地方圏の外国人 / 外国人労働者の国内移動 / 日系ブラジル人 / 移民政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年10月に社会学会で発表を行ったのでその内容を記す。メンバー4人の発表を「地方圏における外国人労働者の受け入れ」というテーマでまとめ、4つのサブテーマを設定した。 1.上林千恵子「日系ブラジル人の定住化と景気変動~島根県出雲市を事例として」本研究の「外国人労働者と地方製造業」のテーマから、出雲市における大手電子部品メーカの請負労働者の雇止めが、果たして地元中小企業への人材供給につながるか、出雲市での外国人定住化につながるかという問題設定をした。日系ブラジル人は雇止めにあうと、他県への流出が多くみられ、市の定住化施策の実現が難しいことが分かった。 2. 塚﨑裕子「コロナ禍の下での外国人労働者の国内移動」外国人が国内移動する場合には、移動先の賃金水準以外に、ワークライフバランスの可能な就労環境を備えた企業が選好される。また地方圏では職種を問わず外国人の増加がみられるが、特にリエゾン人材として採用された専門的・技術的分野の外国人の増加が顕著である。 3. 眞住優助「混合地位職場の形成要因の考察」地方で外国人を雇用している企業では、技能実習生と日系人、技術・人文知識・国際業務(技人国)の3つの在留資格保持者を雇用している中小企業がみられる。この在留資格の多様化現象は、今後、さらに特定技能者の雇用が増加するにつれて拡大される見込みで、企業の外国人需要の多様化の反映である。 4. 長谷川翼「日系ブラジル人の雇用関係と定住化のジレンマ」日系人は製造請負企業の有期雇用の社員として雇用されている。勤続年数も長期化して、請負会社による囲い込み構造が拡大している。また派遣会社が日本語習得が必要とされない職場を作り出すことにより日系人の日本語能力が低く、請負労働者として派遣される企業以外の地元中小企業での職探しが難しいという定住化のジレンマを抱えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来は2023年度が最終年度であったが、コロナ禍の影響で2021年度は調査が難しく、実質的な研究活動の開始は2022年であった。2023年は10月に社会学会で発表を行い、その後、2022年に実施した出雲市調査を補充する形で2024年2月に実施した。幸いに科研費の延長が可能となったため、2024年は学会発表の内容と、出雲補充調査の結果を含めてメンバーが1人で1本ずつの論文を執筆する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでのヒアリング結果をまとめ、論文集を作成する予定である。出版社が見つかれば出版も考えている。
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Causes of Carryover |
研究開始年度2021年とその翌年はコロナ禍のために調査ができず、調査旅費が余った。 今年度は、研究メンバーの眞住氏が金沢から上京して研究会に出席するための旅費、および書籍・文具などの消耗品に使用する予定である。
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