2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症による要介護認定と社会的側面の影響~保険者データを活用した縦断的研究~
Project/Area Number |
21K02020
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
工藤 英明 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60424008)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症 / 介護予防 / 社会的側面 / 保険者データ / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域で暮らす高齢者の生活実態を社会的側面から捉え、高齢者の自助に留まらず、地域での住民互助の頻度及び内容と自立期間の関連について縦断的に検証することである。また本研究は、介護保険に関連し、保険者(市町村)が保有しているデータを有効に活用し、介護予防政策への反映を促すことも意識している。特に、現在、要介護認定に至る主たる原因疾患は認知症が最も多く、保険者の今後の介護保険給付費の増大を招くと推測されるため、認知症による要介護認定に着目している。 研究方法は、保険者が3年ごとに実施する介護予防・日常生活圏域ニーズ調査データをベースラインデータとして用いる。さらに、高齢者の地域生活における社会的側面を焦点化した調査項目を、R4年度実施予定の介護予防・日常生活圏域ニーズ項目に加えて調査を実施する予定である。調査対象者の転帰は、保険者データ(要介護認定・死亡データ等)により縦断的に追跡する。 令和3年度は、①研究協力を得た2保険者と打ち合わせを重ね、令和2年度実施済みの介護予防・日常生活圏域ニーズ調査のデータの提供を得て、ベースラインとなるデータベースを作成した。②令和4年度実施予定の介護予防・日常生活圏域ニーズ調査への追加調査項目の検討を行った。③令和2年度に保険者で実施済みである介護予防・日常生活圏域ニーズ調査対象者のR3年12月末までの転帰データの提供を受け、現在転帰データのデータベースを作成中である。今後、ベースラインデータベースへ統合し、分析を進める予定である。なお、ベースラインデータは、保険者が既に実施済みの調査項目であるため、研究者が着目し、新たに追加する社会的側面を捉える項目はR4年度調査のデータからとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
協力保険者は当初3か所を予定していたが、打ち合わせを経て、1か所が辞退となり、2か所となった。協力保険者との打ち合わせは定期的に行っており、今年度のニーズ調査に向けて必要な準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断研究のため着目点に関する結果は先になるが、ベースラインデータと1回目の転帰データを用いた現状分析と保険者間の比較分析を行い、関係学会での報告を予定する。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、コロナの影響により、協力保険者との打ち合わせは、現地訪問が少なく、メール、リモート、電話での打ち合わせが多くなり、当初予定より旅費がかからなかった。 次年度は、保険者による大規模調査に研究者間で検討した調査項目を加えて実施してもらう予定である。調査で得たデータは、保険者内で個人情報のID化などの処理を行って貰うため、当該予算は、保険者に対しての業務委託費に使用する予定である。
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