2021 Fiscal Year Research-status Report
地域連携を促す保育所における子育て支援実践モデルの構築
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21K02066
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
竹下 徹 徳山大学, 福祉情報学部, 准教授 (90610006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 豊広 筑紫女学園大学, 人間科学部, 講師 (20762157)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 子育て不安 / 保育所 / 保護者 / 相談支援 / 関係機関 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、保育所が保護者の子育て不安を把握した後の関係機関へ支援を繋ごうとする際に潜む阻害要因と促進要因を突き止め、その構造を確認することによって保育所と地域の関係機関の連携による子育て支援の実践モデルを開発することである。 研究の実施期間は計4年間を予定し、研究1年目は保育所が保護者の子育て不安を把握するための必要条件を整理し、保護者が抱える子育て不安を分析することによって保育所が支援を繋ぐ関係機関を選定するといった研究課題を設定し、研究に取り組んだ。 以下、研究1年目の実施した具体的研究内容と成果について示す。 保育所が保護者の子育て不安を適切に把握していくために、ここまでの研究活動(若手研究;2018~2020)では保護者と保育所という関係性から子育て不安を抱える保護者が保育所の相談窓口に接近していくための諸条件、すなわち保護者の相談アクセスが高まる条件として「子どもを媒介とした日常のコミュニケーションを通じ構築する保護者と保育者の関係性」「保護者が気遣いしない相談体制づくり」「不測事態下での相談機会の確保」といった3条件を導き出した。これに加えて今回の研究1年目では、保護者が保育所の相談窓口にアクセスする際に、保護者と保育所という関係性にとどまらず「第三者」が保護者の相談アクセスにどのような影響を及ぼすのかについても明らかにし、それを踏まえることによって改めて保育所が保護者の子育て不安を把握する条件面について整理をおこなった。 さらに2020年8月24日~9月4日の期間で実施したK県内の保育所を利用する保護者の子育て不安に関するアンケート調査結果を分析することにより、子育て不安の課題性質別に対応する関係機関の整理を図りながら、保育所が支援を繋ぐ先となる関係機関を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目の中核をなす研究課題は保護者が抱える子育て不安を分析することにより、保育所が支援を繋ぐ関係機関を選定することであった。 具体的には2020年8月24日~9月4日の期間で実施したK県内の保育所を利用する保護者の子育て不安に関するアンケート調査結果(有効回答数:402名)を分析することによって、子育て不安の課題性質別に対応する関係機関の整理を図りながら、保育所が支援を繋ぐ先となる関係機関を選定するという内容である。 研究1年目はこうした研究課題に取り組み、研究成果物としてまとめるということまでを予定していたが、研究成果物の完成には至っていない。こうした理由から現在までの進捗状況を「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究1年目に設定した保護者が抱える子育て不安の内容を分析することにより、保育所が支援を繋ぐ関係機関を選定するという研究課題に対し、ここまで取り組んだ研究成果を研究成果をまとめていく。 この一連の作業後、速やかに研究2年目に計画している保育所が関係機関に支援を繋ぐ際の阻害・促進要因を突き止めるための質問スケールの開発を目指す。 具体的には保育所等における支援過程(TEM図)を提示するために用いられている研究分析枠組みを参考に、保育所へのインタビュー調査を実施し、その結果を分析することで、保育所が関係機関に支援を繋ぐ際の阻害・促進要因を突き止めるための質問スケールを開発していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究1年目の中核をなす研究課題は保護者が抱える子育て不安を分析することにより、保育所が支援を繋ぐ関係機関を選定することであったが、研究論文等の作成を通じ1年目の研究課題に関する研究成果をまとめるということまでには至らなかった。1年目の研究課題の成果物を作成するにあたって必要となる物品購入や論文投稿にかかる諸経費を使用しなかったため、当該助成金が生じた状況となっている。 翌年度は、1年目の研究課題に対数研究成果物の作成に係る物品等の購入に加え、研究2年目に予定する保育所が関係機関に支援を繋ぐ際の阻害・促進要因を突き止めるための質問スケール開発のための物品購入、旅費交通費等の活用を計画している。
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Research Products
(1 results)