2021 Fiscal Year Research-status Report
一人暮らし高齢者のたんぱく質摂取配分と栄養状態及びフレイルの関連
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21K02102
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Research Institution | Shibata Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
中島 里美 柴田学園大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30620596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 博子 柴田学園大学短期大学部, その他部局等, 助教 (00620600)
玉田 真梨菜 柴田学園大学短期大学部, その他部局等, 助手 (20894299)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在宅独居高齢者 / フレイル / たんぱく質摂取配分 / MNA-SF / 食品摂取の多様性(DVS) |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は青森県深浦町の地域在宅の65歳以上高齢者177人(生きがい活動及びいきいき交流会参加者で、同意の得られた者)を対象に、聞き取り調査および身体測定にてフレイル(虚弱)と栄養状態の実態調査(Ⅰ期調査)を実施した。調査内容は①基本属性:年齢、性別、居住形態(同居・独居)、職業、介護認定状況、介護保険利用状況、病歴、服薬、②栄養スクリーニング(MNA-SF)、③フレイル判定(J-CHS基準)フレイル健診質問表、④食行動:欠食状況、食品摂取の多様性(DVS)、たんぱく質食品の摂取配分状況、⑤食環境:ソーシャルサポート利用状況(配食・生きがい事業他)、共食・孤食状況、食料品アクセスについてである。COVID-19の感染(状況)の影響により調査開始時期が遅れた。また、大人数が集まる事業の実施が小規模化・簡略化されたため、やむなく調査方法を変更して実施した。一人暮らし高齢者の参加者は76名であった。Ⅰ期調査終了直後、ミニ栄養教室を実施し、10種類の食品の実物を教材として用い、食品摂取の多様性とたんぱく質を毎食摂取することについて説明した。調査結果は現在、データ解析中である。 2022年度はフレイル予防・改善のための栄養教育介入活動を行う。栄養教育内容は、食品摂取の多様性向上とたんぱく質の摂取配分の改善(1日3回に配分してたんぱく質を摂取する食事)のためのプログラムである。何をどのようにどのぐらい食べればいいのかを具体的に示すため、実演等により食品や料理を用いた内容とし、栄養教室後は、チェックシートでのフィードバックを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画時はⅠ期調査を2021年9月に実施する予定であった。また、一人暮らし高齢者のみを対象とするいきいき交流会で実施する予定であったが、COVID-19の感染(状況)の影響により、調査期間が遅れた。また、大人数が集まる事業の実施が小規模化・簡略化されたため、やむなく調査方法を変更して実施せざるを得なくなった。よって、町内全33地区中14地区(歩行速度測定等が可能な会場)で地区ごとに毎週開催されている生きがい活動参加者(65歳以上高齢者)と、いきいき交流会(2021年度は時間短縮で実施)の参加者(65歳以上の一人暮らし高齢者)を対象とし11月から12月に分割して実施した。 また、計画当初は同年11月から栄養教育を実施する予定であったが、延期せざるを得ない状況が予測されたため、Ⅰ期調査終了直後、食品摂取の多様性とたんぱく質を毎食摂取することについてミニ栄養教室を実施し、教材として10種類の食品を配布し説明した。 現在、データ解析と、2022年度の栄養教育介入活動の計画および日程調整を同時進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は8月~9月にかけてⅠ期調査対象者に栄養スクリーニング(MNA-SF)、フレイル判定(J-CHS基準)、フレイル健診質問表、食行動:欠食状況、食品摂取の多様性(DVS)、たんぱく質食品の摂取配分状況の結果を対象者にフィードバックし、栄養教育を行う。その後、月1回チェックシートでフィードバックを行う。栄養教育内容は、食品摂取多様性の促進とたんぱく質の摂取配分の促進である。何をどのようにどのぐらい食べればいいのかを具体的に示すため、実演等により食品や料理を用いた内容を計画している。また、月1回のフィードバックで使用するチェックシートは、岡辺らによる「しっかり食べシート12」(岡辺有紀,他.日本公衛誌.2018)を参考に朝・昼・夕にたんぱく質摂取を促すことができる教材を作成し使用する。 2023年度はⅡ期調査(追跡調査)を実施する。Ⅰ期調査の参加者を対象として調査方法、調査内容はⅠ期調査と同様である。その後、データ解析を行い、①食品摂取の多様性得点と栄養状態およびフレイルとの関連 ②たんぱく質摂取配分と栄養状態およびフレイルとの関連について検討する。一人暮らし高齢者におけるたんぱく質摂取配分実施群と未実施群の栄養状態およびフレイルの比較と併せて独居群と同居群の比較も検討したい。
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Causes of Carryover |
本研究課題申請時の計画では、Ⅰ期調査及びⅡ期調査はいきいき交流会参加者を対象に実施する予定であったが、COVID-19の影響で15会場に分割して調査した。そのため、ひとり暮らし高齢者のデータ集積のため調査回、対象者を増加し実施したことで、予算配分を変更せざるを得なかった。参加者謝礼の予算はミニ栄養教室の教材費として使用した。調査方法の変更に伴い、未使用分を2022年度の栄養教室の教材費、フィードバックのための交通費に充てる。
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