2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K02113
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
磯島 咲子 昭和大学, 医学部, 助教 (00750564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 剛広 昭和大学, 医学部, 講師 (10837355)
三浦 瑶子 昭和大学, 医学部, 助教 (60773364)
羽多野 美香 昭和大学, 医学部, 助教 (60899673)
矢嶋 宣幸 昭和大学, 医学部, 教授 (70384360)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 産後うつ / 関節リウマチ / 全身性エリテマトーデス |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】産後うつは10~15%に発症し、精神疾患の既往歴の他、妊娠中や産後の健康状態の悪さがリスク因子であると報告されている。これまで、関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)合併妊娠と産後うつの発症の関連についての報告は少なく一定の見解が得られていない。そこで今回我々はRAやSLEと産後うつの関係性を明らかにするために本研究を行った。【方法】2018年4月1日から2023年8月31日の間に当院母性外来に通院し、当院産婦人科で出産したRA患者とSLE患者を対象として臨床データと産後1か月でのエジンバラ産後うつスケール(EPDS)について記述統計とWilcoxon検定を用いて検討した。【結果】RA16名、SLE14名の出産時年齢の中央値は36才(IQR:33-39)であり、30名のうち21名が初産婦であった。RAの罹病期間の中央値は4年(3-9)、SLEの罹病期間の中央値は4.5年(3-13.3)であった。全例で計画妊娠であった。EPDS実施の時点でRAの2例で関節炎を認めていた。EPDS 9点以上を示した患者はSLEでの1名のみ(全妊娠の3%)であった。RAのEPDSの中央値は0.5点(0-3)SLEでは1点(0-5)であり疾患によるEPDSに有意差は認めなかった(p=0.43)。13名(全妊娠の41%)がEPDSの育児不安項目で加点されていた。【考察】疾患が安定した状況での計画的な妊娠や合併症妊娠に対する患者と家族の理解が得られるようなプレコンセプションカウンセリングの実施が産後うつのリスクを軽減させた可能性を考える。【結論】日本人でのEPDS陽性の割合(約9.9%)と比較すると、本コホートは3%と低かった。一方で半数近くが何等かの育児不安を感じていることが明らかになった。【本研究の重要性】プレコンセプションケアの実施の有用性が示唆される研究となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では多施設に協力してデータを解析する予定であったが、現時点で多施設の選定および倫理委員会の通過に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、多施設を含めた研究への展開および、その他の合併症妊娠でのデータを収集することで疾患間での違いを検討してく予定である。
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Causes of Carryover |
当初では2023年度に他施設でのデーター収集を開始し、解析に入る予定であったが、研究がやや遅れ、未使用額が生じた。本年度にデータ収集し、解析を行い、学会・論文発表を行っていくのにあたり費用が必要である。
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