2021 Fiscal Year Research-status Report
給食施設での栄養評価のためのデータ構築:調理による成分変化と成分表計算値との比較
Project/Area Number |
21K02116
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山崎 貴子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (60318574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 瑞希 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助手 (00805294)
蘆田 一郎 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (10323958) [Withdrawn]
寺尾 幸子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (20739479)
石澤 幸江 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (30805271)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 成分変化 / 大量調理 / 小規模調理 / カリウム量 / ナトリウム量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、調理による変化率が大きいと思われる無機質について、同じ食材で小規模調理と大量調理を行い、①調理前後の差、②小規模調理と大量調理の差、③食品成分表計算値と実測値の差を料理ごとに明らかにすることである。①~③を明らかにすることで、食品成分表の数値から、より実測値に近い料理の成分値を推定するための基礎資料を作成することを目指している。 2021年度は補助事業期間の研究初年度であったため、最初に料理の選出およびレシピを決定した。料理は一般に利用されやすい野菜を主材料として茹で調理が行われるものを選び、「小松菜の辛し和え」「キャベツの梅しそ和え」「ブロッコリーとカリフラワーの酢醤油和え」の3品に決定した。4人分の小規模調理は鍋、50人分の大量調理は大鍋とスチームコンベクションオーブンを用いた方法で調理することとし、予備実験にて調理中の温度上昇や破断応力を確認し試食を繰り返して具体的なレシピを決定した。各料理について3回ずつ調理を繰り返し、試料のサンプリングを行った。 「小松菜の辛し和え」「キャベツの梅しそ和え」のカリウム量は、調理前に比べて調理後にいずれも減少する傾向を示し、減少率は大量調理(大鍋)が最も大きく、次いで小規模調理(鍋)、大量調理(スチームコンベクションオーブン)の順であった。一方、ナトリウム量は「小松菜の辛し和え」では調理後に減少する傾向はみられたものの、小規模調理と大量調理の差は認められなかった。「キャベツの梅しそ和え」では調理による減少は認められなかった。 今回の結果から、カリウムについては、同じ「鍋」での調理であっても小規模調理と大量調理で成分量に差が生じることが示唆された。本研究の結果は、給食施設で提供されている食事について、より正確な栄養価を推定する上での基礎データとして役立つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はサラダ・和え物の料理3品について、料理・レシピの決定後、試料のサンプリングを行い、ナトリウム量、カリウム量、リン量を測定する予定であった。 現在、2品のナトリウム量、カリウム量の分析は終了したが、残り1品のナトリウム量、カリウム量の分析および3品のリン量の分析が未実施である。これは、小規模調理と大量調理の調理条件の検討に時間がかかったこと、また、COVID-19の影響によりリモートワークとなり実施できなかった期間があったことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度未実施の料理1品のナトリウム量、カリウム量の分析、3品のリン量の分析を行った後、2022年度に予定している残りの無機質(カルシウム、亜鉛、鉄)の分析を行う。また、今回調理条件の検討に時間がかかったことから、次の料理(煮物)について、早めに料理を選出し、調理条件を決定するための予備実験を開始する。 調理の繰り返し(n数)は現在3回行っているが、試料間の個体差も見られるため、n数を増やす予定である。
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Causes of Carryover |
当初、調理補助や実験補助としてアルバイトを雇用する予定だったが、COVID-19の影響もあり雇用できなかったことや研究計画がやや遅れていることに伴い、未使用額(次年度使用額)が生じた。 予定している残りの実験に必要な試薬・器具類の購入の他、今後n数を増やす予定であるため、食材・調理消耗品等も購入する予定である。
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