2022 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the Usefulness and Validity of the Ethnometry Method through its Application to the Analysis of Moral Education
Project/Area Number |
21K02170
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤川 信夫 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (10212185)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸橋 静香 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10325037)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 道徳授業 / 身体表現 / 自分ごと化 |
Outline of Annual Research Achievements |
島根県内の公立小学校で行われた道徳授業で得られたデータの分析を行い、複数の授業回における児童の「自分ごと化」に関わる身体表現の推移を数値化し考察を行った。分析に際しては、授業担当教師による「自分ごと化」に向けた発問の前後5分間の動画を対象とした。撮影された動画は、6秒おきの静止画に変換し、1枚の写真につき通常カウント2名、身体表現に敏感な測定者による精密カウント2名の合計4名で、授業担当者が「自分ごと化」の表現とみなした7つの指標についてカウント作業を行った。この作業で得られた「自分ごと化」に向けた発問前後の数値データを最終的にブルンナー・ムンツェル検定により有意差を確認した。この試みにおいては、授業担当教師による計8回の授業の成否に関するインタビューを行ったが、エスノメトリー法で得られた数値データとほぼ一致していることを確認できた。 慶應義塾大学で開催された教育哲学会第65回大会・研究討議「身体性と教育-「経験」と「つながり」の基盤を再考する」(司会者:田中智志・西村拓生、報告者:藤井千春・藤川信夫・門前斐紀)において、「授業自己評価支援ツールとしての「エスノメトリー法」の適用可能性について―道徳授業における「自分ごと化」に関わる児童の身体表現に着目して―」というテーマで本研究の中間報告を行った。 また、その発表報告書(2023年度『教育哲学研究』に掲載予定である。 さらに、発表原稿全文の英訳(2023年度学会のE-journalに掲載予定)を作成し学会に提出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビデオカメラで撮影された児童の身体表現の分析はほぼ完了し、当初最終年度に行う予定であった研究報告を全国学会シンポジウム(課題研究)で行うことができた。他方、授業週末部で児童が作成した感想文の内容分析は作業が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
児童の身体表現の動画分析については、すでにこれまでに行った分析手法を適用して完了させ、道徳授業を担当した2名の教師が収集した児童の感想文を対象に特定単語の出現頻度の推移をデータ化し、本研究を完了させる予定である。
|
Causes of Carryover |
学会発表原稿の英訳作業が2023年4月以降にずれ込んだため。なお、英訳作業はすでに完了し、2023年度予算で執行見込み。授業週末部で児童が作成した感想文の内容分析の作業が遅滞しているため。
|
Research Products
(3 results)