2022 Fiscal Year Research-status Report
Learner Centered Pedagogy for Initial Teacher Preparation: Key Elements and Good Practices
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21K02218
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
香川 奈緒美 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80622399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教師教育 / 学力観 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化に伴う急速な社会の変化を背景に,教育の結果として獲得されるべき知識やスキルを定義する議論が継続的に行われている。特に,予測困難で複雑化する社会において,それまでの知識やスキルの獲得を目的とする教育ではなく,それらを能動的に活用することで,複雑化する社会の諸課題を克服する総合的な能力を表す概念として,教育政策の議論でコンピテンシーが注目されてきた。本研究は、このような新しい学力観が示される中、教員養成機関がどのように変化しているのかに注目している。具体的には、子どもたちのコンピテンシー形成をサポートする役を担うことが期待されている教師を目指す学生たちをどのように養成しているのか、を調査している。 2022年度に行った教員養成機関へのインタビュー調査においても、学力観や教師が身に着ける資質能力をどう定義づけ、どう議論していくのかの難しさが1つの大きな課題として抽出された。コンピテンシーの概念をどう理解するかの議論も含め、そもそも教育理念が異なる構成メンバーを抱えた組織が、社会変化をどう捉え、教員養成のカリキュラムをどう変化させていくのかについて、必要に応じて継続的に議論し、決定していく枠組みの形成も注目すべき課題として抽出された。学力観の変化と教員養成機関の役割認識、また、社会が期待するこれらの関係にも今後注視して研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンピテンシーや学力観の変化に関わる文献調査については、継続的に実施している。教員養成機関の現状調査に関わるシラバス分析、および複数の教員養成機関におけるインタビュー調査も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、これまでに実施したシラバス分析とインタビュー調査の結果を踏まえて、教員養成機関の学力観変化に伴う動きに関わる仮説を形成する。また、その仮説の検証を補助するための質問紙を作成し、調査を実施する。さらには、教員養成機関の変化に関わる要素の関係を説明し、変化の具合を評価する方法論を提示する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症拡大の影響で当初予定していた国際学会への参加が叶わず、データ収集と研究者との情報交換ができていないことが次年度使用額が生じた大きな理由です。2023年度は、2021年2022年度に変更を余儀なくされた調査を再度精査し、必要な情報を限られた期間で獲得できるように計画を立てる。特に、コンピテンシーベースの教育による教員養成機関の変化を国内外で調査することに力を入れたい。
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