2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on School Reform Movement that Makes Research on Teaching
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21K02246
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
狩野 浩二 十文字学園女子大学, 教育人文学部, 教授 (90280304)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 斎藤喜博 / みえる / 学校づくり / 授業研究 / 表現活動 / 教授学 |
Outline of Annual Research Achievements |
斎藤喜博は自身が校長として勤務した群馬県島小学校での学校づくりを出発点とした。その中で授業研究を“核”とする学校づくり運動を展開する。運動は今日まで継続している。残された資料群は膨大である。2021年度は関係資料の収集と電子化とを行った。同時に、島小11年間の学校づくりで取り組まれた8回に及ぶ学校公開研究会を分析した。学校公開研究会の内容や方法を分析し、その特質を検討した。成果は学会で報告した。さらにその成果を論文化した。 収集した関係資料は、学校づくり運動が展開された学校資料である。特に沖縄における学校づくり運動の展開を記録した資料群である。媒体は、文書、映像資料、音声資料、画像、プリント類など多岐に及ぶ。その中から緊急性の高いVHSなどのビデオテープ映像類を先行して電子化した。 電子化にあたり専門業者によりDVDへのデータ保存を行った。さらに一覧表作成、及び、修復が必要なVHSテープの補修などを行った。作成した電子化資料(DVD)は161本である。すべてにタイトルと内容を付した。トールケースにはサムネイル画像を表示した。収録内容が一目でわかる。リストはエクセルファイルとして保存した。今後研究交流の際に使用する。かつて電子化した400点に及ぶ資料との整合性を保つためにリストのナンバーリングの統一とパッケージの統一化、見だしに一貫性を持たせた。 当初計画では、資料収集や研究打合せ等のため、国内出張を行う予定であった。しかし、COVID19の拡大で、唯一、川嶋環氏へのインタビューのみを実施した。その他の関係者への調査等は、すべて次年度に継続して行う予定である。 斎藤喜博の蔵書について、手書きリストの複写を入手(横須賀薫氏提供)し、そのすべてをエクセルファイルとして電子化した。その上で、斎藤喜博の蔵書等について分析、検討を行い、その特徴を日本教育方法学会において口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の拡大により関係者へのインタビュー、研究打合せ等が全て取りやめとなったものの、唯一、川嶋環氏(元島小教員)へのインタビューを実施することが出来た。その他、影山昇氏(元島小産休代替講師)とインタビューを進める予定であったが、しかし、ご高齢ということで、対面でのインタビューを控え、書面によるやりとりに留まっている。今後、状況を見て、対面によるインタビューを行う予定である。 斎藤喜博関連の蔵書類について目録の写しが宮城教育大学名誉教授の横須賀薫氏より齎され、それらを電子化した。 収集した関係資料は、沖縄において展開した学校づくりに関する資料群である。これらは、媒体が多岐に渉り、量も膨大であるために優先順位をつけ、最も緊急を要するのがアナログの映像であり、そのため最優先の映像の保存や修復、電子化等において実績のある業者に対応を委託し、完了した。 既に収集済の島小学校公開研究会について、その資料の整理、分析、分析項目の析出等を行い、更に分析した項目ごとに内容を検討し口頭報告を行った。口頭報告は、日本教育方法学会、財団法人野間教育研究所研究会である。何れも学会報告は、オンラインにより実施され、COVID-19の影響はさほど受けなかった。論文化は、口頭報告をもとにし、分析項目の視点で追究し、予定通り公刊した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID19の拡大状況が今後も予想される。これまで予定していた現地調査が悉く出来なくなった。こうした状況は今後も継続すると見込まれる。対策としてオンラインによる調査が考えられる。対象とする関係者が高齢である場合が多く連絡調整の上可能な手段を検討する予定である。昨年度は書面により調査を進めた。これにも物理的、質的な限界がある。 資料収集は業者により現地から郵送、宅配便配送等を駆使し実施した。これらも関係者の配慮によるものであり今後は現地調査の上、資料の把握、資料の撮影等を通じ資料保全の方法を検討する。業者による輸送は、万が一の場合も考えられ緊急待避的に使用する。可能な限り現地に赴き資料提供を依頼する。 電子化作業は、今後デジタル資料、紙資料等、優先順位に従って進める必要がある。とりあえず緊急を要するアナログ映像(VHS等)に関してほぼ全ての電子化を終了した。特にVHSやβマックス等の媒体は劣化等が著しい。今後はそれに次いで劣化の著しい藁半紙(ざらし)等の酸化に弱い紙で謄写版印刷(ガリ版印刷)された資料群の保存・活用を図る必要がある。これらは未収集の資料も多く存在すると考えられ更に関係者等への聞き取り調査を進め実態の把握に努める必要がある。 インタビュー(聞き取り調査)は、関係者が高齢のため中には緊急を要するものもある。既に他界した関係者も多く存在しそうした場合において遺族への連絡と調整が必要となる。現在までの所、故松本陽一氏(元小学館社員)、故梶山正人氏(元千葉経済短大教授)、故近藤幹雄氏(元都留分科大学教授)等との調整を予定している。 現在進行中の学校づくり運動に関して可能な限り連絡調整を進める必要がある。斎藤喜博や関係者による学校づくり自体が次第に縮小、減少する中で関東や九州、北海道地区で現在も進行中の学校づくりやそのための研究活動が展開している。その把握に努める。
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Research Products
(5 results)