2021 Fiscal Year Research-status Report
高校普通科におけるキャリア意識形成のプロセスとその影響要因の解明
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21K02300
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
福井 庸子 大東文化大学, 経営学部, 准教授 (90409615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
降旗 信一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00452946)
阿部 英之助 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (10408982)
児美川 孝一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (50287835)
松田 洋介 大東文化大学, 文学部, 教授 (80433233)
大串 隆吉 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員教授 (70086932)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 普通科高校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高校普通科におけるキャリア教育、特に学校教育全体を通して行われているキャリア意識形成のプロセスとその影 響要因を解明するものである。 2021年度は、現地調査のコーディネートや研究分析の視点を洗い出した。具体的には、以下の3点について調査研究を実施した。 第一に、一昨年に実施した普通科高校における生徒アンケート調査の継続的な分析を実施、当該高校におけるカリキュラムの分析、キャリア教育を志向していない教科外活動や特色ある取り組みの整理と共有をしたうえで、これらの活動が生徒のキャリア意識に与える影響について検討した。 第二に、来年度以降の本調査の実施に先立ち、関東近郊の普通科高校を訪問、教員や生徒への聞き取りを実施した。当該高校の教育目的、カリキュラムや個々の教育活動の特徴を洗い出すとともに、教員や生徒が教育活動をどのように認識しているのかについてインタビューした。また当該高校の教育実践に関する資料を収集整理した。こうした事前調査を踏まえ、2022年度以降の本調査に向けた方向性を確認した。 第三に、1994年度に導入された総合学科の近年の動向について調査を実施している。総合学科は将来の職業選択を視野に入れた学習を重視する学科であり、いわばキャリア教育を志向した学科とも言える。2022年度より普通科のなかに学際領域や地域社会に関する学科といった学科を設置できるよう高校普通科再編が進められるなかで、総合学科はどのような変容を見せているのか、について資料を収集、分析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は国内の新型コロナの感染状況を見ながらの調査活動となり、研究対象高校への訪問は控えざるをない状況にあった。しかし、一昨年実施したアンケート調査の継続分析や、対象高校の教育活動に関するデータの収集を行うなど、調査は着実に進展している。また、会議は1か月に1回、オンラインで開催し、問題意識や調査研究の進め方等の共有、意見交換を実施してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、①長野県普通科高校に関するアンケート調査の分析のまとめ、②全国の総合学科の動向と近年の傾向について整理、③神奈川県普通科高校におけるフィールドワークを実施する予定である。全国の総合学科の動向については、近年の高校におけるキャリア教育の動向を掴むうえで有益な資料を提示できると考えている。また、神奈川県普通科高校におけるフィールドワークおいては、当該高校の特色ある教育活動が生徒のキャリア意識形成にいかなる影響を与えているかについて検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナ感染の状況の影響もあり、調査対象となる高校への実地調査を十分に行うことができなかったが、2022年度については、感染状況が収まり次第、調査校への訪問を実施する予定である。
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