2023 Fiscal Year Research-status Report
チーム育児における夫婦の対人交流記憶システム(TMS)機能の検討
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21K02344
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
西村 太志 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (30368823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 敏彦 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (60412467)
古谷 嘉一郎 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80461309)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子育て / 対人ネットワーク / TMS / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、夫婦を子育てチームととらえ、「チーム外に埋もれた子育て情報」の共有やチーム外との社会的つながり」の獲得・充実・維持がどのようなコミュニケーションによってもたらされ、子育てにどのような影響を及ぼすのか検討することを目的とする。2023年度は、2022年度に検討した指標を、夫婦ペアに対して縦断的調査を行うために、第一回の調査を実施した。国内の小学生以下のこどもを育てている夫婦259組を対象に、ペアのオンライン調査を実施した。その結果、(1)2022年度に検討した指標の妥当性(子育てチームの範囲認知が、夫婦のみ・親族含む範囲・親族外を含む範囲)を確認し、子育てチームの範囲を広く捉えることは夫婦双方にポジティブな心理的・行動的効果をもたらす可能性を確認した。(2)夫が妻の両親(祖父母世代)とコミュニケーションをよくとっていると、妻が夫婦間で子育てに関する情報共有(TMS)を行っていると認知していた。すなわち、妻にとって夫が自身の親と良好なコミュニケーションを取ることが、妻の子育て環境の捉え方をポジティブにする。(3)妻が子育てに関する情報共有(TMS)を行っていると認知していると、夫の夫婦関係満足度得点と妻の夫婦関係満足度得点をそれぞれ高めることが示された。2024年度にはこれらの成果を開催予定の国内学会で発表予定であり、論文等で公表する予定で準備を進める。また、縦断調査の第二回を実施予定であり、TMS共有の変化による子育て行動への影響等を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査の実施計画は順調に進んでいるが、データ分析の詳細検討等が教育・大学運営業務量の変化に伴い、不十分である。今後、研究環境を整備した上で、着実な遂行を図る。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は先述の通り、縦断ペア調査の二回目を予定している。この調査の実施、および多面的な分析を研究チームとして行い、夫婦間のコミュニケーションが子育てTMSを促進し、子育ての充実に夫婦ともに寄与する過程の検証をすすめていく。
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Causes of Carryover |
英文論文執筆の予定が整わず、英文校正費や投稿料などの支出が生じなかった。次年度はこれらの遂行、および調査実施のための費用に繰越金を充てる。
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