2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児期における金銭教育の現状と課題 -経済的社会化のためのモデルプログラムの検討
Project/Area Number |
21K02386
|
Research Institution | Utsunomiya Kyowa University |
Principal Investigator |
蟹江 教子 宇都宮共和大学, 子ども生活学部, 教授 (50620522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 有芳 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00468703)
室 雅子 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (50329645)
今村 麻子 宇都宮共和大学, 子ども生活学部, 准教授 (80806539)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | キャッシュレス化 / 経済的社会化 / 金銭教育 / 家庭 / 保育施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国において、未就学児を対象とした金融ケイパビリティ向上のための教育学的研究はほとんど行われておらず、金銭に関する初期教育は各家庭の方針や保護者の意識に依存してきたのが現状である。一方、現在eコマースやキャッシュレス決済が急速に普及し、子どもたちが生活の中で現金の授受を見たり体験したりする機会が急激に減少しており、この流れは、子どもたちの金銭に対する直感的な理解を困難にしている。そのような背景からより高度な金融ケイパビリティの育成のための方法論の構築が求められる。 そこで、本研究では今まで見過ごされがちであった発達の初期段階に注目し、子どもの経済的社会化の充実に向けて、幼稚園や保育所で行われている“お金”に関する教育の事例を分析するとともに、家庭で行われている金銭教育の現状や保護者の意識を明らかにする。さらに、各家庭での養育環境や保護者の金銭教育に関する意識と、子どもの価値・交換、価値尺度、価値保存に対する理解度の相関性を分析し、日本の現状に合致した保育現場における金銭教育のモデルを構築することを目指す。 研究初年度(2021年度)は、先行研究レビュー、保育施設園長への聞き取り調査(事例蒐集)、保護者と子どもを対象としたアンケート調査を実施するためのプレ調査を一部、行った。聞き取り調査の結果、子どもの日常生活や遊びの中にキャッシュレス化は確実に浸透しており、園でも環境変化に柔軟に対応していること、数の概念やお金の機能など知識だけではなく、我慢すること、モノを大事にすることなど、消費生活に関わる態度や意識を重視していることが明らかになった。保護者も金銭教育に高い関心を持っていおり、その必要性を感じていた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に、幼稚園、保育所等に通う子どもを持つ保護者とその子どもを対象に自記式のアンケート調査を予定している。そのためのプレテストを本年度行う予定であったが、調査を依頼する予定であった園でも感染者が発生するなどの理由により、部分的にしか実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度はプレテストを実施した後、その結果を踏まえて複数の地域で、幼稚園、保育所等に通う子どもを持つ保護者と子どもを対象にアンケート調査を実施する。アンケート調査の項目としては、保護者については、親の金銭意識と金銭行動、子どもへの金銭教育行動、子どもについてはお金に対する認知度と態度を予定している。 引き続き、文献等で海外における幼児期における金銭教育の事例についても整理する。
|
Causes of Carryover |
研究打ち合わせ会議、学会参加、事例蒐集、インタビューのため、旅費を計上していたが、オンライン等での実施が多かったため、未使用となった。次年度、事例蒐集とインタビューを継続して行う予定である。 2021年度に予定していたプレテストは2022年度に実施するため、そのための経費が見込まれる。
|
Research Products
(2 results)