2023 Fiscal Year Research-status Report
精神保健福祉士と保育者の協働による発達障がい児の精神科受診時の情報収集方法の構築
Project/Area Number |
21K02419
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
松本 優作 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (50826542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 勇人 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50341144)
中川 智之 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50462049)
重松 孝治 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (80461242)
笹川 拓也 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (00413518)
岡正 寛子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20410938)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精神保健福祉士 / 保育士 / 協働 / 発達障がい児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達障がい児の確定診断時における医療機関の精神保健福祉士と保育者との協働のあり方を検討するものである。本年度は、昨年度のレビュー結果を仮説として捉え、未就学児が受診している児童精神科において、受診調整を実施している精神保健福祉士にインタビュー調査を行い、保育所等からの情報共有の実態を把握し、この仮説を検証した。 結果として、受診するまでの主なルートは、仮説の2つのルートだけでなく、法定健診以外のルートや、保育所等へのアウトリーチ活動から受診に繋がるケースなど、多様な機関からの受診の促しを確認できた。情報提供の内容・手段・方法については、「①園での様子など書面での情報提供が多いが様式は任意である」、「②園が把握している発達検査の結果などの提供もある」、「③対面での情報提供は原則保護者であるが、能力的に困難な場合には保育者の同伴がある」などが確認された。 そして精神保健福祉士の介入の実態を明らかにした。「①受診を促す等の保護者支援」については、受診相談の中でインフォームドコンセントを実施しているが、精神科病院に相談できる専門家の存在が広く周知されていない課題があることが分かった。また、精神保健福祉士自身も「子ども」に関する学びが不十分であることも明らかとなった。「②書面での情報提供の手段である保育者向けチェックリストの選定」については、基本的には各病院のインテーク用紙に従って情報収集を行っていることが分かった。「③保育職を巻き込んだ多職種連携の調整」については、受診後のフォローアップや支援体制の構築が行われているが、保育者に直接指示を伝える機会がないことが明らかになった。保育者を受診に同席してもらえるよう働きかけることが課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、2年目に実施する予定であった精神科医療機関でのインタビュー調査進まず、3年目に実施することとなった。そのため1年延長し、最終年度で保育所等からみた、医療機関への情報提供についての実態調査を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究で、発達障がい児の確定診断時における医療機関が保育者に求めることが明らかとなった。最終年度では、保育所等からみた、医療機関への情報提供についての実態調査を実施していく予定であり、精神保健福祉士と保育者との協働の可能性についてまとめていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で実習計画にずれが生じ、最終年度に実施する予定であった、保育所等とのアンケート調査ができなかったため未使用額が生じた。1年延長して、アンケート調査を実施するための切手代、郵送代等として使用予定である。また、学会発表するための旅費等として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)