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2021 Fiscal Year Research-status Report

価値観・行動規範の多様化に伴う保育現場の変容に着目した多文化共生保育の研究

Research Project

Project/Area Number 21K02425
Research InstitutionTokiwakai Junior College

Principal Investigator

卜田 真一郎  常磐会短期大学, その他部局等, 教授 (20353021)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 平野 知見  京都文教大学, こども教育学部, 准教授 (10441122)
長澤 貴  鈴鹿大学短期大学部, こども学専攻 幼稚園教諭・保育士コース, 教授 (20515134)
林 恵  帝京短期大学, 帝京短期大学, 教授 (60759380)
佐々木 由美子  足利短期大学, その他部局等, 教授 (80742874)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords多文化共生保育 / 価値観・行動規範の多様化 / イスラームとの共生 / SOGIマイノリティ / マイノリティ間の相克
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、多文化化・多民族化に伴う価値観や行動規範の多様化により保育現場でどのような課題が生起しているのかを明らかにするとともに、少数者の属性を持つ当事者の参入により保育実践がいかに変容するのかを描出することを目的としている。そのために、園の多文化状況に応じて生起する価値観や行動規範の多様性をめぐる課題の所在をさらに多くの園で検討し、共生を模索するための保育実践のありようを検討する。特に、保育現場における価値観や行動規範の多様性をめぐる課題を総合的・俯瞰的に検討するために、移民や難民の背景をもつ保育者や保護者、ムスリムの保育者や保護者といった当事者に加えて、当事者が在籍する保育現場の管理職にも対象を拡大し、当事者の参入による価値観や行動規範の多様化によって保育現場で生起する課題を描出する。
2021年度においては、価値観や行動規範の違いに関わる課題と多文化共生保育実践に関わる課題に着目し、「複合マイノリティとマイノリティ間の相克」と「SOGIマイノリティと保育実践」の2つのトピックをとりあげ、学会シンポジウムにおける議論を行った。「複合マイノリティとマイノリティ間の相克」については、多文化共生保育場面において個人のアイデンティティの複合性に着目してマイノリティ性を捉えることや「社会的弱者集団間の相互差別」を含む「マイノリティ間の相克」を捉えることの意味について議論を行った。また、「SOGIマイノリティと保育実践」については、オーストラリアにおける性の多様性を視野に入れた保育実践のありようについての報告とSOGIマイノリティ(トランス男性)当事者である保育者のライフヒストリーと保育実践についての語りを通して、制の多様性にかかわる保育実践の課題と保育現場における価値観の変容について議論を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、上記の目的を達成するために、下記の4つの調査を行う予定である。
①保育者調査Ⅰ:民族・文化・信仰・社会階層に大きな違いがある移民・難民の子どもを受けて入れているドイツの保育現場に勤務する、移民でありムスリムである保育者を対象とした聞き取り調査を行い、ライフヒストリーと保育実践を描出する。②保護者調査:①で示した保育現場に在籍する、移民でありムスリムである園児の保護者を対象とした聞き取り調査を行い、当事者の立場からみた園生活の現在のありようや今後への期待について描出する。③管理職調査:①で対象となったドイツの保育現場の園の管理職を対象とした聞き取り調査を行い、移民や難民、ムスリムの保育者・子ども・保護者の参入により起こった自園の保育実践の変容について聞き取り、その全体像を描出する。④保育者調査Ⅱ:日本の保育現場において、在日外国人・性的マイノリティなど、社会的マイノリティの当事者である保育者自身のライフヒストリーと実践への意識を聞き取り、その共通点と相違点を描出する。
2021年度については、④の「保育者調査Ⅱ」につながる対話を学会シンポジウムで実施することができた。また、④にかかわる内容の論説を研究代表者が発表する機会を得た。
しかしながら、上記①の研究については、本研究の前段階に位置する科研費研究がコロナ禍の影響で遅れており、その研究成果に基づいて実施される予定の②③についても具体的な検討を行うことができておらず、2022年度以降の課題である。

Strategy for Future Research Activity

2022年度については、本研究に先行する科研費研究からの継続した課題である「保育者調査Ⅰ:民族・文化・信仰・社会階層に大きな違いがある移民・難民の子どもを受けて入れているドイツの保育現場に勤務する、移民でありムスリムである保育者を対象とした聞き取り調査」の結果を整理し、論文化を行う。また、「管理職調査:ドイツの保育現場の園の管理職を対象とした聞き取り調査」について、ドイツにおける調査担当者との打ち合わせを実施し、研究対象者の選定を行い、聞き取り調査の開始へとつなげる。
「保育者調査Ⅱ:日本の園における当事者性を持つ保育者への聞き取り調査」については、2021年度シンポジウムで取り上げたSOGIマイノリティ当事者である保育者への聞き取り調査を継続し、データ収集を行う。
また、価値観や行動規範の多様性と保育実践のありようにかかわる学習会やシンポジウムを実施し、保育実践におけるさまざまな多様性をめぐる課題を可視化し、共生を実現するための実践のありようについての議論を重ねる。

Causes of Carryover

2021年度については、シンポジウムを行った学会がコロナ禍の影響でオンライン開催となり旅費等の支出がなかったこと、コロナ禍の影響による研究の進捗の遅れにより、予定されていた調査等が実施できなかったため次年度使用額が生じている。
2022年度以降において、ドイツでの調査研究を推進するとともに、日本国内での調査の実施とシンポジウムや学習会の開催を予定しており、研究費の執行が行われる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 自主シンポジウム「子ども・保育者の多様性と保育実践」2021

    • Author(s)
      卜田真一郎・白石雅紀・戸田有一・平野知見・村尾雪翔・林恵・長澤貴
    • Organizer
      日本乳幼児教育学会 第31回大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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