2023 Fiscal Year Research-status Report
総合的な学習(探究)の時間における非認知的な能力の育成に関する開発的研究
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21K02503
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
加藤 智 愛知淑徳大学, 文学部, 准教授 (00619306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 真志 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90314062)
西野 雄一郎 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00850398)
中村 仁志 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 助教 (30881560)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 総合的な学習の時間 / 総合的な探究の時間 / 非認知的能力 / 社会情動的スキル / 認知的能力 / 知性 / 社会性 / 情動 |
Outline of Annual Research Achievements |
総合的な学習(探究)の時間の誕生から現在までを概観した上で、総合的な学習の時間において用いられてきた教授方略を体系的に整理し、非認知的な能力の育成につながる教授方略を明らかにした。これまでの総合的な学習(探究)の時間において採用されてきた教授方略として、「実践的教授のアプローチ」(practical teaching approach)、「学習者中心のアプローチ」(learner-centered approach)、「学際的なアプローチ」(interdisciplinary approach)、「協働的学習のアプローチ」(collaborative learning approach)、「探究的な学習のアプローチ」(inquiry learning approach)の五つが導出された。そして、「コミュニティベースの学習のアプローチ」や「リフレクション重視のアプローチ」を採用することが、児童生徒の非認知的な能力の育成に効果的であることが示唆された。 とりわけ、「リフレクション重視のアプローチ」については、学習者の特性に応じた教授方略が求められ、「安全な環境の提供」や「明示的なリフレクションのガイダンスとフィードバックの提供」、「定期的なフィードバックの提供」について検討することが重要である可能性が見いだされた。 一方で、「コミュニティベースの学習のアプローチ」については、総合的な学習(探究)の時間において広く採用されることがあるものの、その実施には、地域社会との連携における組織的な障壁や、資源の不足、さらにはコミュニティの参加者と学校間の意見の相違などの課題が存在しており、これらの課題を解決することの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究資料の収集や研究成果の発表が着実に実施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる研究資料の収集に努めるとともに、実践協力者の協力を得て、アクションリサーチに着手する。
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Causes of Carryover |
今年度は旅費の執行額が増えたものの、これまでの未使用額をすべて執行するには至らなかった。次年度は、学会の全国大会等での発表を行うとともに、研究会を開催し、積極的な情報発信に努める。また、必要な資料の収集を積極的に行う。
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