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2023 Fiscal Year Research-status Report

虚構世界との往還から自立と共生を目指す校種横断型教育プログラムの策定

Research Project

Project/Area Number 21K02530
Research InstitutionFukuyama City University

Principal Investigator

森 美智代  福山市立大学, 教育学部, 教授 (00369779)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 光本 弥生  広島修道大学, 人文学部, 教授 (80280155)
倉盛 美穂子  日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (90435355)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords虚構体験(文学体験) / 保幼小接続 / 自立と共生 / 子ども理解 / 集団づくり
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、下記の①から③を、【理論研究】【調査研究】【実践研究】の3方向から、相互に関連させつつ、螺旋的に実施してきた。すなわち、①子どもの発達と虚構性(文学性)との関連に関する解明、②自立と共生に関する集団・教室づくりの解明、③発達に応じた保育・教育プログラムの開発と検証である。本年度は、②を中心として、③につなげていくための【調査研究】を実施した。
具体的には、研究協力校において小学校2年生の教材「スイミー」(レオ・レオニ)を用いた文学の授業単元を観察調査し、全単元のビデオデータとエピソードデータ収集した。学級担任へのインタビュー調査の音声記録も収集した。対象学級は、単学級の全15名という少人数学級で、不登校の女児1名と座っていることが困難な男児1名を含んでいる。本研究では、この男児1名に着目し、男児の実態と、集団・教室づくりについて考察を行った。
当該男児は、授業中でも構わず床に寝転がり、ごろごろと横に転がりながら過ごしている。その日も、コの字型で広く空いた真ん中のスペースで、転がりながら授業に参加していた。子どもたちによる一斉音読が始まると、男児はそれに合わせるように、足を曲げたり手を伸ばしたりしながら天井を向いていた。一緒に音読をしていたかどうかはマスクをしていたためわからなかったが、リラックスした様子は伝わってきた。この男児を、授業に参加できていないと評価するのが正しいのか。本研究が論点としたのはこの点である。
少なくとも、授業に参加する気持ちがないのであれば、教室から出ていくこともできる。現に、3年生になって学級担任が変わった結果、男児は廊下や階段で寝転ぶようになった。「スイミー」の教室は、男児にとって、そこに居たいを思える場所だったのではないだろうか。
以上のような観点から、収集したデータをもとに、自立と共生に関する集団・教室づくりの解明を行なっていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究協力者である小学校教諭が病気休養のため急遽休職することとなったため、追加のインタビュー調査等の研究協力が得られない状況となっているため。

Strategy for Future Research Activity

追加のインタビュー調査を予定していたが、当該の学級担任の休職に伴い、現在収集済みのデータを用いて可能な分析や考察を行う予定である。さらに、学級担任が変わった後の対象児童の様子について、研究協力校の他の教員たちから情報を集め、追加インタビューの不足分を補いたい。
その上で、発達に応じた保育・教育プログラムの開発と検証に向け、具体的な授業実践を構想し、それを研究協力校(複数準備している)で実施することで、その妥当性について検証していきたい。

Causes of Carryover

特に旅費の支出について、研究協力校である乳幼児保育施設や小中学校における調査受け入れの調整に困難があり、研究計画に遅れが生じている。代表的・典型的な施設への調査・参観は研究チーム全員の日程調整が必要となるため、調整が難しい。次年度はできるだけ早期から調整を行いたい。また、それぞれの身近な乳幼児保育施設や小中学校での調査を進めるべく、計画を立て直し、全員が難しくとも、複数名でのフィールド調査が可能となるように進めていきたい。最終年度となる次年度には、学会発表を行う予定であるため、旅費の支出が見込まれる。
物品費については、日程調整が困難な研究協力校を含め、オンラインでの会合が可能となるように、設備を整えることを計画している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 2 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 自らを重ね書き手と出会う古典学習:小学校5年生の『枕草子』の授業実践を通して2024

    • Author(s)
      姫野貴広・森美智代・田中優里
    • Journal Title

      福山市立大学教育学部紀要

      Volume: 12 Pages: 77-86

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] ゼロ・1・2歳児のあそびと生活2024

    • Author(s)
      光本弥生
    • Journal Title

      ちいさいなかま

      Volume: 749 Pages: 73

  • [Journal Article] 「主体」概念の議論にみる国語教育学の自明性 : SubjectとAgencyを手掛かりとして2023

    • Author(s)
      森美智代・長澤貴
    • Journal Title

      国語教育思想研究

      Volume: 32 Pages: 158-165

    • Open Access
  • [Presentation] シンポジウム「生の事象を扱う国語教育のこれまでとこれから」2024

    • Author(s)
      森美智代・永田麻詠・本渡葵・長澤貴
    • Organizer
      難波博孝退職記念イベント
  • [Book] デジタル時代の児童の読解力:紙とデジタル比較読解調査からみえること2024

    • Author(s)
      難波博孝・菅谷克行・森美智代・瀧口美絵・黒川麻実・髙橋茉由
    • Total Pages
      140
    • Publisher
      文学通信
    • ISBN
      4867660396

URL: 

Published: 2024-12-25  

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