2021 Fiscal Year Research-status Report
上越地域における内発的学校改革の実証的・臨床的研究
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21K02542
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
松井 千鶴子 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20401789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜田 聡 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60345543)
梅野 正信 学習院大学, 文学部, 教授 (50203584)
小林 晃彦 上越教育大学, その他部局等, 特任教授 (60844842)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 郷土教育 / 教育課程開発研究 / 総合学習 / 上越地域 / 内発的学校改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
①上越地域の「総合学習」の歴史とその背景を整理するための資料収集を行った。『我が校に於ける郷土教育』(高田師範学校附属小学校、1930)、『教育課程の構成と實踐』(新潟大學第二師範學校附属小学校、1949)『大手の教育ー児童研究と新教育編』(高田市立大手町小学校、1947)、『大手の教育ー自發学習の形態篇ー』(高田市立大手町小学校、1948)、等の資料をコピーしてデジタル化した。また、先行研究となる戦前の郷土教育と戦後の社会科教育ー新潟県上越地方における「地域に根差した教育」の連続性の追究ー」(後藤清代、1985)等の論文、上越地域の学校に残る研究報告書、学校だより等を収集した。 ②上越地域で文部省・文部科学省指定の教育課程開発研究を行ってきた小・中学校の資料を収集し、各研究の概要や特徴、変遷の概要、その時期の研究組織等を整理した。上越教育大学附属小学校・中学校、上越市立大手町小学校、上越市立城北中学校の戦後からこれまでの研究資料を収集し、概要を整理した。他にも、生活科や総合的な学習の時間の黎明期や成長期の上越地域の学校の取組や実践に関する資料も収集した。 ③本研究のキーワード「内発的学校改革」にかかわる書籍等により、「内発的」「学校改革」の理論的背景を探究・整理した。内発的学校改革の要因として、「改革の権限を学校現場に位置付けること」、「教師以外の構成員(児童・生徒や保護者・地域)の参加の保障」、「キーパーソンのネットワークを主体とした改革の推進」、「相互作用を通した構成員の共生」等が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①情報収集と地域への貢献を意図して計画した講演会を延期することになった。上越地域で教員を経験した元教育長3名の講演を2月9日、16日、2日の3回の予定で計画したが、新型コロナウイルス感染症の感染状況が悪化したため、2週間前に中止することにした。そのため、「総合学習」創造期における教員の意識や具体的な取組などの情報については十分に収集できていない。 ②研究開発学校等で「総合学習」の創造に取り組んできた人物へのインタビュー調査が行えていない。対象者が高齢者であるため、新型コロナウイルス感染症の心配があり、先送りとなっている。 ③研究開発学校等を訪問しての資料収集等はある程度行えたが、新型コロナウイルス感染症での休校や部外者の入校が難しい状況があり、十分行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
①延期となっている講演会を実施する。元教育長3名の教員としての新任から校長までのその時々の取組や学校内の様子などを話してもらうことで、学校を内から改革していく教員の意識や教員同士、あるいは児童・生徒・保護者・地域との相互作用の実際について明らかにする。講演は逐語化し、それぞれの教育長の教育や学校改革についての考え方について分析する。 ②研究開発学校等で「総合学習」の創造に取り組んできた人物へのインタビュー調査を行う。上越教育大学附属小学校・中学校、上越市立大手町小学校、上越市立城北中学校で研究推進を担ってきた元教員(主に1970年代~1990年)に教育課程開発や「総合学習」等への取組について聞き取りし、逐語化する。 ③収集した資料を研究資料としてまとめ、印刷・製本する。戦前の郷土教育に関する資料や「総合学習」創造期の書籍や資料、インタビューデータ等をまとめて保存できるようにする。 ④現在の上越地域の学校において、郷土教育から「総合学習」創造期に見られた「内発的学校改革」がどのような状況にあるか、関係校の教員へのインタビューと研究資料をもとに整理する。
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Causes of Carryover |
元教育長3名の講演会が新型コロナウイルス感染症で延期となり、運営費用や謝金、逐語化する費用を支出していない。また、研究開発学校等で「総合学習」の創造に取り組んできた人物が高齢者であるため、インタビュー調査が難しい状況であった。そのため、謝金とインタビューの逐語化に係る費用を支出していない。 研究分担者の打ち合わせや、情報収集のための学会参加をオンラインで行ったため、旅費の支出が少なかった。
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