2023 Fiscal Year Research-status Report
義務教育期間をつなぐ造形活動メソッドを造形要素の観点から開発する
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21K02555
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
松久 公嗣 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (00380379)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Reggio Emilia / 造形要素 / 表現領域 / 図画工作 / 美術 / REMIDA / ATELIER |
Outline of Annual Research Achievements |
① 保幼小の造形活動について、連携する保育園ではアトリエ・レミダの充実とワークショップの開催を継続し、ワークショップ内容の拡充を図ることができている。特にアトリエには無い自然環境を近隣の森に設定し、アトリエとは異なった活動についても充実が見込まれる。連携こども園では保育者の入れ替わりが大きかったこともあり、レッジョ活動の内容を柔軟に設置しなおすなど一部想定外の修正を加えながらこれまでの活動を継続している。小学校との連携体制の構築が難しいが、Centro Internazionale Loris Malaguzzi内に設けられた小学校の様子を専属のアトリエリスタの案内で視察することができたので、その内容と日本の小学校の差異を比較する材料は入手することができた。 連携保育園とは、さらに教育施設での新規ワークショップ企画を計画しており、8月に実践する予定である。小学校関連では、現職教員を対象としたスキルアップ講座で、本研究の成果を反映した実技課題の指導を依頼されており、これらの機会を通して社会への還元を行う。 ② 予定していたCentro Internazionale Loris Malaguzziでの展覧会も盛況で、センター長や他のアトリエリスタ、小学校の教育関係者らと展覧会の内容や今後の連携に関する協議を終え、継続課題と新規課題について連携体制を維持することが決まった。 イタリアでの展示を踏まえて、日本展は2024年1月にむなかた館にて開催し、イタリア展の様子や連携する保育園、こども園の活動を中心に、相互の作品を並べて展示し研究成果の発表とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
こども園の人事や小学校との連携体制に想定外の修正が必要となったが、保育園での実践が想定以上に進んでいること、Centro Internazionale Loris Malaguzziでの展覧会事業の反響、鑑賞者数が大きかったこと、Centro Internazionale Loris Malaguzziの代表並びに併設されている小学校の内容を専属のアトリエリスタの案内のもと視察できたことなど、当初の計画以上の成果も認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度となることから、予算や企画が終了しても継続できる方策を連携園や各学校と協議し、持続可能な連携体制と内容を確立する。 レッジョ・エミリア市の関係者とは、Centro Internazionale Loris Malaguzziでの展覧会を見た別地域の教育関係者から連携を打診されており、連携を拡大することが可能かどうかを判断しながら必要な協議と連携を重ねていく。 また、研究の成果はすでに依頼を受けている小学校の現職教員を対象とした研修会やワークショップを介して社会に還元できるよう、研修内容やワークショップの企画内容に反映していく。
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Causes of Carryover |
今年度の想定額と使用額に差が生じたが1,642円という額であったので、最終年度に合算して使用することが無駄なく活用できると判断したため。
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