2021 Fiscal Year Research-status Report
法を基盤に公共圏の形成を熟議する主権者教育の理論・実践開発研究
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21K02572
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
中平 一義 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50758597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 隆穂 中部大学, 中部高等学術研究所, 特任教授 (00126830)
斎藤 一久 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50360201)
渡邊 弘 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (00389537)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 主権者教育 / 公共圏 / 熟議 / 法教育 / 社会科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、各自の研究を推進するとともに、全体の進捗状況や研究に関わる概念整理のために感染対策を十分に行いながら対面での研究会を3回ほど行った。そこでは、2021年度に実施するために計画した、主権者教育に必要な公共圏の概念を整理することを目的として研究をおこなった。 まず、近年の主権者教育において内包されている国家像や社会像について検討を行った。さらに、法教育の知見を参考にして、主権者教育を過去から現在、未来へと国家や社会の形成について考えることができる市民を育成するための教育の視点について検討した。次に、国家や社会の形成について考えることができる市民の育成には、民主主義と立憲主義の概念整理が必要であるとして研究をおこなった。そこで、研究分担者の安藤隆穂により「フランス革命期の立憲主義と教育〈男女共学〉-コンドルセとコンスタン」について、さらに識者として大久保史郎を招き「戦後人権論における個人-人権主体と主権主体」について、それぞれ報告を行い全体で検討を実施した。加えて、研究分担者の斎藤一久により「憲法パトリオティズムと憲法教育」について報告を行い全体で検討を実施した。 2021年度の研究から、民主主義と立憲主義を基調とする主権者教育の構想の必要性が明らかになった。これら民主主義と立憲主義が、本研究の主権者教育における公共圏の概念規定に大きな示唆を与えることが明らかになった。今後の主権者教育の学習理論や、対象とする社会的課題の選択に反映する概念整理を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各自の研究と、定期的な研究会により研究を進めることができている。なお、研究協力者が本研究に参加することができなくなったが、新たに研究分担者を迎えたことによりこれまで通り研究を遂行する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度の研究成果をより深めるとともに、法学や社会思想史の研究成果と教育学の研究成果の架橋により主権者教育の学習理論研究を行う。特に研究代表者がこれまでに考察を重ねた動態的な法教育の学習理論に援用することにより主権者教育の学習理論研究を行う。さらに、研究代表者の研究から熟議を活用し、他者と協働で公共圏を形成する方法を考察する。以上の研究によって、本研究の学習理論を構築と概念整理を目指す。
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Causes of Carryover |
2021年度はコロナ禍であったため、発表する予定であった学会がすべてオンラインになったたこと、対面での会議の回数が減ったことにより使用額に差異が生じた。2022年度は、学会発表や対面会議の回数を増やすことを予定している。
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Research Products
(9 results)