2021 Fiscal Year Research-status Report
教員養成課程のキャリア選択自己効力感の向上を目指したキャリア教育プログラムの開発
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21K02625
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
南 伸昌 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (80292572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 朋子 宇都宮大学, 就職・キャリア支援センター, 准教授 (80823319)
久保 元芳 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90451707) [Withdrawn]
石塚 諭 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90793703)
久保田 愛子 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (90832907)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キャリア選択自己効力感 / キャリア教育 / 教員養成課程 / 教師効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,4-5月に1-3年生対象のキャリア選択自己効力感等に関するアンケート調査を行った。教職志向の調査も合わせて行うと共に,2,3年生には教師効力感尺度調査も合わせて行い,それぞれの尺度の相関を定点調査し,データを取得する体制を構築した。また,1年次はキャリア教育科目(新入生セミナー:キャリア形成)において,キャリア教育の導入的な講話を実施すると共に,「希望職種と志望時期」「身に付けたい力」「就職への不安」などについての自由記述調査を行い,分析結果を日本キャリア教育学会で報告した。 教員にならない学生に着目したキャリア選択自己効力感の背景プロセスの検証のために,就職支援委員会が毎年実施している全学生対象の進路調査のデータを元に,入学当初の教職志向は高かったが,大学生活を経て,教職以外の道へ進んだ学生9名に対して,どのようなプロセスを経て今の進路を決定するに至ったか,30-60分程度のインタビュー調査を行った。インタビュー内容は録音・記録したが,コロナ禍のため実施時期が遅くなった影響もあり,文字起こしは一部次年度に持ち越しとなった。 教員養成課程のキャリア教育プログラム検討のために,農学部,国際学部の教職課程導入科目「教職入門」において,ねらいの中に「キャリア教育」を位置づけると共に,受講生の,受講前後における教職に対する考え方の変容を調べるために,教師効力感尺度及び自由記述による意識調査を行った。また,通常授業において自己効力感を高める方略として,反転授業形式の導入を進め,学生の学びに対する意識の調査を行った。これらの分析結果を整理し,宇都宮大学共同教育学部実践紀要に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ第5波の影響で,対面でのインタビュー調査に入る時期が遅れ,一部インタビューの稿起こしが年度を跨いだため,結果の詳細な分析ができていない。「キャリア教育プログラム」の先駆けとして,基盤教育にキャリア教育科目を立ち上げたが,調査結果の反映はこれからである。ただ,1-3年生対象のキャリア選択自己効力感,2-3年生対象の教師効力感調査等の定点調査は予定通りに進められており,こちらの結果を授業内容に反映させている。また,キャリア教育科目において,学内外の講師4名を確保し,様々な,人と関わる職場について学ぶ機会の設定はできた。
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Strategy for Future Research Activity |
教育学部生全体へのキャリア教育プログラムを開発する前段階として,令和4年度に,基盤教育科目として,「人と関わる職業について考える」を開講する。研究の報告に沿った外部講師による講話を設定し,教員志望の学生もそうでない学生も,様々な職業についての理解を深め,働くこと,学ぶことについての視野を広げるきっかけとする。 教育プログラム検討のため,引き続き教育学部4年生を対象に,どのようなプロセスを経て今の進路を決定するに至ったか,30-60分程度のインタビュー調査を行う。インタビュー対象として,①教員という道は選んだものの,最初は教員志向が低かった学生,②最初から教員志向が高く教員という道を選んだ学生を含むよう配慮する。インタビュー内容は録音・録画して文字おこしを行い,教職志向やキャリア選択自己効力感尺度の高低別にインタビュー協力者をグループ分けし,それぞれのキャリア発達の特徴をMAXQDAでデータ整理しながらオープンコーディング・焦点化コーディングを行う継続的比較法を用いた検討を行う。 そして,キャリア教育プログラムの効果検証のために,教育学部全学年の学生に対して4月時点における教員志向,キャリア選択自己効力感尺度を,アンケート調査により評価する。複数の情報を組み合わせて個別IDを付して追跡を行い,教員志向とキャリア選択自己効力感の変遷をたどる。以上の結果を分析・整理し,開発したキャリア教育プログラムが教員志望度の異なる学生に及ぼす効果を検証し,国内外の学会・雑誌で報告する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,学会が全てオンラインになり交通費分が余剰となった。また,インタビューの稿起こしが一部年度またぎになるなど,予算執行に遅滞が生じた。 研究の遅れを取り戻すために,研究分担者の増員を図り承認された。今年度は学会等も対面で実施される機会が増える見通しなので,昨年度の余剰分を増員分の交通費等に充てる。また,新規分担者もインタビュー調査・分析担当能力を有するので,インタビュー調査に係る諸費用や,周辺機器の拡充のために予算を執行する。
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Research Products
(4 results)