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2021 Fiscal Year Research-status Report

オンライン学習におけるミクロレベルの自己効力感の影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K02771
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

中西 良文  三重大学, 教育学部, 教授 (70351228)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 梅本 貴豊  京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50742798)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsオンライン学習 / 自己効力感
Outline of Annual Research Achievements

本年度は,まず,オンライン学習におけるミクロレベルの過程を測定する手法の開発を進めた。これを行うには,オンライン学習過程の構築と測定のための技法の構築の両方が必要になるが,このうち,オンライン学習の過程の構築に関しては,申請者が大学教育において実施していたオンライン授業を基盤とした検討を進めることとした。そして,測定のための技法の構築に関しては,過去の研究で用いていた紙面上での学習過程における自己効力感を測定する項目を参考にし,新たに取り上げるオンライン学習過程に合わせて自己効力感の測定ができる項目を作成した。そして,これらに基づき,実際にオンライン学習を実施し,学習成果と自己効力感の測定を行い,両者の関係について検討を行った。なお,これらの検討を行うにあたって,これまでの動機づけ研究についてのレビューを行うなどの基礎的な検討を行っている。
この検討により,まずオンライン学習における自己効力感を測定する尺度の1つのバージョンを作成することができた。特に今回取り上げた大学教育におけるオンライン授業での学習過程では,学習者がオンライン授業の中で異なる役割を担当したため,それぞれの役割ごとに感じられる自己効力感を測定するものとなった。これに加え,先行研究で扱ってきた,二種類の自己効力感(知識再構築に対する自己効力感・知識正確性についての自己効力感)の違いについても取り上げたものとなった。
これらの検討を通じて,今回取り上げた大学教育におけるオンライン授業での学習過程においては,先行研究と同様に,二種類の自己効力感のうち知識再構築に対する自己効力感が,学習期間中における変化により影響を及ぼすことが見出された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は,当初の計画通り,オンライン学習におけるミクロレベルの過程を測定する手法の開発を進めることができた。これにあたっては,研究で対象とする題材を取り込んだオンライン学習過程の構築と,測定のための技法の構築の両方が必要になるが,このうち測定のための技法の構築に関しては,これまで作成していた紙面上での学習過程における自己効力感を測定する項目に基づきオンライン学習における自己効力感の測定ができる項目を新たに作成した。一方で,オンライン学習の過程の構築に関しては,申請者が大学教育において実施していたオンライン授業を基盤とした検討を進めた。あわせて,これまで研究を進めていた概念変化に関する課題を用いた学習過程の開発も進めている。
これらに基づき,実際にオンライン学習の実施と,学習成果と自己効力感の測定を行い,検討を行った。そして,学期単位の一連の大きな学習の中での自己効力感の影響の検討を行うことができた。
なお,これらの検討と合わせて,これまでの学習/動機づけ研究についてのレビューを行うなどの基礎的な検討も進めている。

Strategy for Future Research Activity

2022年度では,前年度の成果を踏まえながら,より精緻な検討を進めていく。具体的には,まず,前年度作成・使用した自己効力感尺度をさらに精選し,オンライン学習の実態により適合したものを構成する。特に,二種類の自己効力感として,これまで想定してきている知識再構築に対する自己効力感と,知識正確性に対する自己効力感について,その概念の再精査を含めて,尺度構成について検討を進める。
また,学習課題についてもさらなる検討を進める。前年度では,大学教育における授業場面を取り上げて検討を進めたため,リアルな学習場面を捉えた検討を進めることができたが,実験とは異なり細かな要因統制などが十分にはできなかった。そのため,2022年度では,実験的にオンライン学習を行わせる課題を実施し,その中での詳細な変化について検討を進める。これによって,本研究課題でテーマとしているミクロレベルでの学習過程・自己効力感の変化と相互影響過程についてより精緻な検討が行えると考えている。さらにこれらに基づき,自己効力感の影響を望ましいものにする学習環境の検討もあわせて進めていく。

Causes of Carryover

2021年度においては,オンライン学習を取り上げた検討として,実際に行った授業場面での検討とは別に,実験的に準備したオンライン学習のプログラムを実施し,そこでの変化を検討することも想定していた。しかし,コロナ禍の影響を受けて,オンライン学習プログラムによる実験への参加者の募集と実施について,見通しが立たず,2021年度中に実施することができなかった。この点については,年度当初より,参加者募集と実施の見通しを立てて,準備を進めているため,2022年度中に実施することが可能であると考えている。
加えて,計画の段階では,学会等の参加による旅費の計上も行っていたが,2021年度に参加した学会はオンラインで実施されたため,これらの費用が執行されなかった。これについては,新型コロナウイルス感染症の蔓延状況に鑑みながら,対面で開催される学会への参加ができれば,執行が可能であると考える。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 授業をつくる・授業を診るための動機づけマトリックスの提案2022

    • Author(s)
      鈴村一将・中西良文
    • Journal Title

      三重大学教育学部紀要

      Volume: 73 Pages: 209-228

    • Open Access
  • [Journal Article] Interaction Effects of Level and Instability of Motivation on Learning Strategies: Introjected and Identified Regulation2021

    • Author(s)
      Umemoto Takatoyo
    • Journal Title

      Journal of Educational and Developmental Psychology

      Volume: 11 Pages: 76~76

    • DOI

      10.5539/jedp.v11n2p76

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] グループ活動を伴うオンライン授業における自己効力感の影響2022

    • Author(s)
      中西良文・梅本貴豊
    • Organizer
      日本教育工学会2022 年春季全国大会
  • [Presentation] 文脈的動機づけと状況的動機づけの関連―動機づけレベルと変動性に着目して―2021

    • Author(s)
      梅本貴豊・稲垣勉
    • Organizer
      日本教育心理学会第63回総会
  • [Presentation] 授業科目に対する動機づけレベルと変動性が授業中の学習方略に与える影響2021

    • Author(s)
      梅本貴豊・稲垣勉
    • Organizer
      日本心理学会第85回大会
  • [Book] 多様なPBLの実践事例と7-Stepからの学習過程の検討2022

    • Author(s)
      下村智子・中西良文編
    • Total Pages
      168
    • Publisher
      三恵社
    • ISBN
      4866936193

URL: 

Published: 2022-12-28  

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