2023 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲化手術に必要な解剖学的知識の伝承をより効率化するための学習ツールの開発
Project/Area Number |
21K02837
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高詰 佳史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60816536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 宣晶 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00184820)
堀口 崇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70245520)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医学教育 / 解剖学 / 両眼立体視 / 臨床 / 手術 / フォトグラメトリ / 空間再現 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の手術の低侵襲化に伴って外科医は内視鏡下の術野においても周辺組織の層構造を立体的に理解し、見えない部分にある血管や神経などを損傷する危険を予測することが重要となってくる。本研究では両眼立体視可能でかつ術者の自由な視線で学習できる実写ベースの解剖教材を作成した。最終年度においても引き続きフォトグラメトリの手法による解剖映像の3D教材化を進めた。これまで救急科、脳外科、婦人科のレイヤー解剖コンテンツを作成してきたが、整形外科におけるインプラント挿入の際に知っておきたい解剖を学ぶことのできるコンテンツとしても作成された。さらに3Dレイヤー解剖モデルだけでなくVR180の3D動画を併用した教材の作成も進めた。単純にVR動画であれば周囲を見渡すだけで肝心の手術手技が小さく撮影される問題があるため、周囲だけでなく術野を拡大して確認できるように、適切な視差で撮影することのできる3Dカメラを作成し、複数の術野視点の3D映像を撮影し、切り替えることのできる多視点V180Rビデオの作成し、そこにフォトグラメトリによる実写3Dレイヤー解剖モデルを同時に視聴できるようにした。これは特に周囲との連携が重要な救急外科の手術手技を教材化した。作成された実写ベースのレイヤー解剖コンテンツは空間再現ディスプレイ、VRゴーグルと言った機器で再生することができた。 また本研究で3D教材作成に当たって、光源の移動が起こってしまうと撮影対象の光と影の位置が移動してしまうことによりフォトグラメトリによる3DCG作成に問題が起こることを確認した。これは未固定、およびシール固定法などのみずみずしいテクスチャを持つご遺体を撮影する際に顕著であった。この問題を解決するために、偏光板とストロボを組み合わせた簡便な撮影方法を提案した。これにより大がかりなセッティング無しで、手持ち撮影でも3D教材作成用の撮影が可能となった。
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