2021 Fiscal Year Research-status Report
主体的な学びを促進するオンライン英語語彙学習支援ツールの開発
Project/Area Number |
21K02853
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹蓋 順子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (00352740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 充 國學院大學, 教育開発推進機構, 教授 (00323428)
高橋 秀夫 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (30226873)
与那覇 信恵 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (30522198)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語語彙教材 / 教材作成支援ツール / プロトタイプ開発 / 主体的な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、語彙力養成用Web教材を開発し、英語教育の中の語彙学習を高度化することを目的とした研究を行う。通常の語彙教材では、教材作成者側が語彙レベルやジャンルなどを基準として選定した語彙が教材として提示されるが、CEFR B1以上の習熟度レベルの学習者になると、学習者ごとに英語学習のニーズや目標は異なり、それぞれ異なる語彙の習得を必要とするようになる。このため、本研究では、学習者自身が習得したいと思う語彙を、科学的指導理論に基づく語彙力養成用Web教材として自動生成するシステムを開発することを目指している。 今年度は、英単語の頻度順リスト、レマリスト、翻訳API、Text to Speechなどが組み込まれたシステムにより、学習者が選定した英文から半自動的に語彙学習用の教材を作成できる英語語彙学習支援ツールのプロトタイプシステムを開発した。本プロトタイプシステムは、学習者が使用する教材作成画面、教材学習画面ともにパソコン、タブレット、スマートフォンのいずれでも使用できるレスポンシブデザインとし、4インチ程度の画面のモバイル端末でもストレスなく使用できるようシンプルで直感的に使える画面構成、画面遷移となるよう配慮して設計している。 学習者がオンライン英語語彙学習支援ツールを使用する流れは、教材作成と教材を使用した学習という2つのフェーズに分かれている。さらに、フェーズ1はStep1~6に、フェーズ2はStep 7,8に細分化されている。 プロトタイプシステムの開発後、このシステムが英語語彙学習の主体的な自主学習支援に寄与できるかを検証するための試用評価実験を行った。その結果、印象評価は概ね高かった一方、教材作成システム及び学習システムの双方に改善の余地があることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、2021年度に(1)オンライン英語語彙学習支援ツールの全体設計、(2)語彙頻度DBやTTSのシステムへの実装、(3)システムの開発を、2022年度には(1)前年度に開発したプロトタイプシステムを使用したパイロットスタディの実施、(2)学習効果の検証とプロトタイプシステムの改善案検討とシステムの改修、2023年度に(1)本実験を実施し、(2)システムを公開する、という3年間の研究計画を立てている。 初年度である2021年度は、上記計画通り、プロトタイプシステムを完成させることができたため、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプシステムを使用した小規模実験を実施したところ、印象評価は概ね高かった一方、教材作成システム及び学習システムの双方に改善の余地があることもわかった。試用実験の参加者は、本システムの使用を想定している母集団の構成員であり、彼らによるシステムの評価や自由記述で表明された要望等は今後プロトタイプを改修する際に参考にする予定である。ただし、本研究の限界としては、実験の参加者数が少なく、システムの試用期間が実際に想定されている時間との比較で短いことが挙げられる。 今後の課題としては、より多くの学習者から評価を得る機会を作って母集団の傾向をより正確に把握したうえでシステム改修内容を検討し、本研究の目的である主体的な学びを促進する英語語彙学習支援ツールの完成度を高めることである。
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Causes of Carryover |
2022年度に開発したプロトタイプシステムの完成時期が、年度内ではあったものの予定より多少遅れたことにより、研究分担者の所属する大学での試用実験を次年度に繰り越すことになった。このため、これにかかる予算を次年度使用額とする。
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Research Products
(6 results)