2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K02967
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高木 彩 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (30532395)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リスク認知 / 受容態度 / 文化的世界観 / 萌芽技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、令和4年度に引き続き健康観察アプリを対象技術として取り上げ、文化的世界観のうち個人主義-共同体主義次元に注目し、回答者の個人主義あるいは共同体主義に整合的な対象技術の説明文を提示した際に、対象技術の受容態度がより肯定的になるかを検討した。 令和4年度は、実験操作に用いた刺激文(対象技術の説明文)が研究者側の事前想定と異なる内容として回答者に評価される状態にあったため、その原因を特定して実験刺激を新規に作成した。その結果、今年度作成した実験刺激を用いた実験では、実験操作の成功を確認することができた。その一方で、実験時に合わせて測定していた文化的認知理論の文化的世界観尺度(個人主義-共同体主義尺度,階層主義-平等主義尺度)のうち、個人主義-共同体主義尺度の短縮版において、信頼性係数が低い値を取ることが再度明らかになったため、この問題から仮説の検証が困難な事態となった。 そこで当該尺度の信頼性に関しては、翻訳面の問題が影響している可能性を考慮し、短縮版の項目の訳文を見直すとともに、新規に全項目版の文化的世界観尺度(個人主義-共同体主義尺度,階層主義-平等主義尺度)についても日本語に翻訳の上でバックトラスレーションを行い、当該尺度の信頼性と妥当性をWEB調査により検討した。その結果、個人主義-共同体主義尺度に関しては全項目版の尺度では信頼性の問題をクリアできたものの、短縮版の日本語版尺度では引き続き信頼性の問題が残ることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度から課題となっていた実験刺激の再作成作業と、信頼性の面で問題を抱えていた文化的認知理論における文化的世界観尺度の日本語訳の見直し作業に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
文化的世界観尺度の個人主義-共同体主義尺度に関しては、日本では短縮版をそのまま使用した実験的検討を進めることが困難な見通しのため、改めて当該尺度(日本語版)の信頼性と妥当性の検討を進めつつ、並行してその問題を踏まえた実験デザインや項目の選定が改めて必要であると考えている。
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Causes of Carryover |
国際学会への参加を見送ったことと、WEB実験のデータ収集が当初の予定より安価に済んだため残額が生じた。次年度持ち越し分に関しては、次年度の学会参加費や実験または調査の実施等での使用を予定している。
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Research Products
(1 results)