2023 Fiscal Year Research-status Report
子どもの幸福観の形成を支えるソーシャル・ネットワークに関する発達的研究
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21K02999
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
寺川 志奈子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (30249297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 宣之 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (20270861)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソーシャルネットワーク / 主観的幸福感 / 重要な他者 / 発達 / 小学生 / 中学生 / ウェルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる2023年度は、小学校高学年から中学生にかけてのソーシャルネットワークの特徴の発達的変化を捉え、主観的幸福感との関連をみることを目的として、日本の小学生4年生、6年生・中学生2年生を対象に、質問紙調査により①小中学生の日常で生起しそうな生活場面における「重要な他者」に関する調査、②生活満足度(主観的幸福感)の評定、を実施し、分析を行った。結果の概要は、発達的変化として、小学4年生から中学2年生にかけて“重要な他者”は、母親を中心とする大人から友達への移行がみられ、また「ひとりがいい」「誰にも相談しない」とする回答の増加がみられた。また、主観的幸福感は、小学4年生、6年生と比べて、中学2年生において、有意に低かった。さらに、ソーシャル・ネットワークの型が、幸福感と関連していることが示された。小学4年生、6年生においては、母親を中心とする家族ネットワークをもつ子どもの幸福感は高く、一方、ネットワークを持たない「ひとり型」は幸福感が低かった。一方、中学2年生においては、幸福感とソーシャルネットワークの型との関連は認められず、どのような要因が幸福感と関連するのかは、今度の検討課題として残った。ソーシャルネットワーク以外の、学力、学校生活、家庭生活、余暇との関連を含めて、主観的幸福感の影響要因について検討する計画を立案中である。 さらに、国際比較において主観的幸福感の高いフィンランドで、日本と同一の調査を実施し、比較検討する研究計画の打ち合わせを、タンペレ大学のRopo教授、トゥルク大学のYrjanainen講師と行った。共同で、国際比較研究のための質問紙調査を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はコロナ禍で延期となっていたが、今年度8月にフィンランド・タンペレ大学を訪問し、タンペレ大学のRopo教授、トゥルク大学のYrjanainen講師と、国際共同研究の打ち合わせを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、国際比較において主観的幸福感の高いフィンランドと、幸福感のあまり高くない日本において、質問紙調査を実施し、小中学生の主観的幸福感とソーシャルネットワークとの関連、および主観的幸福感に影響を及ぼすその他の要因について、国際比較研究を進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
予定していたフィンランドでの調査実施が、共同研究者との打ち合わせ時期がコロナ禍の影響により今年度にずれ込んだため、次年度に延期となったため。調査実施にかかわる旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)