2022 Fiscal Year Research-status Report
A research on clinical utility and limitations of the spectrum model of psychiatric disorders in psychological assessment
Project/Area Number |
21K03087
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒木 俊秀 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60215093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 啓介 独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 精神科診療部長 (60432944)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 心理アセスメント / ディメンジョン / スペクトラム・モデル / 臨床的有用性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、従来の精神疾患のカテゴリー的定義と分類よりもディメンション的スペクトラム・モデルが有力になりつつあるが、その心理アセスメントにおける有用性はなお未知数である。本研究では、精神病理症状の内在化-外在化スペクトラム・モデルに基づいて、複数の調査票を用いて臨床群と非臨床群の定量的分析を行い、従来のカテゴリー的臨床診断と比較検討することにより、精神疾患のスペクトラム・モデルの有用性と限界を明らかにすることを目的としている。2022年度においては、前年度に引き続き、解離症状に関するディメンション的構造(連続体モデル)を検証するために、解離体験尺度(DES)、改訂出来事インパクト尺度(IES-R)等を用いて、一般人口集団1,000名余を対象にインターネット調査を行った。その結果、幼少期の有害な体験と解離体験との関連が示唆されたが、連続体モデルのみでは説明できない可能性も示唆された。また、原著者の承認が得られた各尺度の日本語版を開発し、非臨床群の調査を実施した。さらに、先行研究において開発した日本語版Personality Inventory for DSM-5 (PID-5)の妥当性を引き続き検証し、精神科診断において連続体モデルを仮定した心理アセスメントの有効性と限界について文献的考察を行い、論文等に発表した。現在のところ、心理アセスメントにおいても、ディメンション的モデルの有用性には限界があり、その理由は精神疾患の診断における多義性にあると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、臨床群を対象とした調査研究について準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、臨床群及び非臨床群の解析データをまとめ、国際学会及び国際誌への投稿・発表を進める。
|
Causes of Carryover |
分担研究者の所属研究機関の都合により、研究費の受入れ及び執行状況に遅れが生じたために、本年度の研究費に残額を生じたが、分担研究者の研究計画そのものの進捗には支障がない。
|
Research Products
(7 results)