2023 Fiscal Year Research-status Report
学校コミュニティ・レジリエンス評価指標開発による学校危機支援循環モデルの創出
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21K03102
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
窪田 由紀 九州産業大学, 産学共創・研究推進本部, 科研費特任研究員 (00258576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 亜矢子 聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (50271614)
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 教授 (90337733)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 学校コミュニティ / コミュニティ・レジリエンス / 学校危機 |
Outline of Annual Research Achievements |
・A市教育委員会から,教育委員会職員による学校評価(SES)等の提供を受け,学校コミュニティ・レジリエンス尺度(SERS)の下位尺度との相関分析を行った。自由に発言できる雰囲気(SERS)と管理・リーダーシップ評価(SES)、教職員・保護者・子どもとの関係(SERS)と学校全体の落ち着き評価(SES)、危機への予防・準備(SCRS)と管理・リーダーシップ評価の間に有意な相関がみられた。また、SCRSの下位尺度を用いたクラスタ分析の結果、すべての下位尺度得点が高い、全ての得点が中程度、全ての得点が低いグループの3クラスタが得られた。 ・SCRSの3クラスタを独立変数とし、SESの4下位尺度を従属変数とする一要因分散分析の結果、学校全体の落ち着き評価、管理・リーダーシップ評価、教職員間の相談しやすさ評価の3下位尺度については、クラスタ間で有意な差が見られるなど、一定の妥当性が確認された。 ・2023年度には,尺度の精緻化のためA市の74校の計1195名の協力を得て調査を行った。項目反応理論を用いて項目の選定を行い,さらに効果量,内容的側面を検討して19項目6下位尺度から成る尺度を得た。 ・SERSの6下位尺度と外的基準として新たに加えた設定した自身の勤務校への勤務推奨度、主観的な学校コミュニティの評価2項目との間には中程度の相関、ワークエンゲージメント指標(3項目の平均)との間には弱い相関がみられた。6下位尺度を説明変数、自身の勤務校への勤務推奨度を目的変数とするステップワイズの重回帰分析の結果,自由に発言できる雰囲気、教職員と保護者・子どもとの関係、教職員集団の関係性の3下位尺度によって、自身の勤務校(所属コミュニティ)への勤務推奨度を一定程度予測できることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には予定通り進行した。 新たに協力校を募集して、初回以上の74校、1195名の協力を得て、調査を行い、尺度の精緻化を図ることができた。 精緻化した尺度を用いた協力校の評価について,教育委員会の関係部署の責任者からは妥当との評価が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
精緻化した尺度を用いた協力校の評価について,教育委員会の関係部署の責任者からは妥当との評価が得られた。今後,全校で定期的に実施し,学校コミュニティのレジリエンス向上に資する体制の実装に向けて、さらに教育委員会との協議を重ねるために,研究期間の延長を行い、研究を推進する所存である。
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Causes of Carryover |
2023年度は国内外の学会での成果発表等で当初当該年度に使用予定であった金額はほぼ使用した。前年度からの繰り越し分を2024年度に繰り越すことにした。2度のデータ収集で精緻化した学校コミュニテイ・レジリエンス尺度の学校現場への実装に向けて、データの更なる分析やそれに基づく関係者との協議を重ねるとともに、最終年度となるため、最終まとめに向けて分担者や研究協力者との議論を行う所存である。
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