2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K03178
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
和田 堅太郎 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (60583862)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 量子群 / ヘッケ環 / 表現論 / テンソル圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き, シフト量子アフィン代数の構造論, 及び表現論に関して研究した。 これまでは, Ariki-Koike 代数との間の Schur-Weyl 双対の構成やそれらに関することを中心に調べてきたが, それらを利用することにより, より一般の設定でシフト量子アフィン代数の有限次元表現を調べた。 シフト量子アフィン代数の表現論において, その q-指標 (表現を特徴付ける重要な不変量) を求めることが基本的な問題の一つであるが, 一般には, q-指標を求めることは難しい。一方で, Schur-Weyl 双対を通じて, シフト量子アフィン代数の表現論の一部とみなせる巡回 q-Schur 代数の表現論については, その cellular 基底から得られる組み合わせ論を用いた具体的な記述が知られている。今年度は, 取り敢えず, 巡回 q-Schur 代数の Weyl 加群 (パラメータが一般的な場合には既約となる) を, シフト量子アフィン代数の表現と思ったときの q-指標を, 組み合わせ論を使って具体的に与えた。 また, シフト量子アフィン代数の表現論においては, その余積構造を用いて, 与えられた表現のテンソル積表現を考えたときに, それらがどのような性質を持つかが重要である。この問題についても, パラメータが一般的な場合の巡回q-Schur 代数の Weyl 加群を一次元表現とのテンソル積表現を考えシフトしたときに何が起きるかを, 組み合わせ論を用いて具体的に記述することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り, Schur-Weyl 双対を利用して, 巡回 q-Schur 代数のWeyl 加群の q-指標を組み合わせ論を用いて具体的に記述することができ, さらに, それらを, 1次元表現とのテンソル積をとってシフトしたときに, どのような構造を持つかを理解できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた, 巡回 q-Schur 代数の Weyl-加群の q-指標の記述や, Weyl-加群と1次元表現とのテンソル積表現の構造を参考にして, より広いクラスのシフト量子アフィン代数の有限次元表現について調べていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症対策の影響で生じた前年度からの繰越に加え, 今年度の研究についても, 当初計画より安価で行えたため。 研究集会等への参加や研究打ち合わせのための旅費として用いる予定である。
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