2021 Fiscal Year Research-status Report
短パルスレーザ照射によるアブレーション加工を利用したレーザ研磨技術の提案
Project/Area Number |
21K03834
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
糸魚川 文広 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20252306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 覚 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90637406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 短パルスレーザ加工 / アブレーション加工 / ダイヤモンド工具 / 表面改質 / 切削 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では,CVDダイヤモンド工具などへの短パルスレーザ照射(フェムト秒レーザやナノ秒レーザ)により工具刃先の鋭利性が向上することとともにラマン分光計測などによりダイヤモンドの結晶性が向上し,それが耐摩耗性の向上に有効であることを明らかにした.また,レーザ照射後の仕上げ面の粗さに着目し,レーザ加工条件が仕上げ面性状に及ぼす影響を実験的に検討した.その結果,レーザ重なり率(スキャンをしながらレーザを繰り返し照射する場合の照射面積の重なり割合)やレーザ送り量(平面研削加工における切り込み量に対応),レーザ照射角度などが仕上げ面粗さに強く影響することを明らかにした.現状では最適な表面性状を実現するための条件設定はこれまでの結果をもとにして経験的に決定しており,それらパラメータが表面性状に及ぼす影響のメカニズム解明に向けては更なる実験と理論構築が必要である.また,加工機のわずかな振動が仕上げ面性状を悪化させる要因になることも明らかになり,レーザ加工機の剛性強化や駆動部で生じる慣性力の低減など装置の改良を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実切削加工で要求されるレベルでの刃先精度および表面性状を本研究手法で実現加工であることが明らかになった,一方で,加工条件の決定は経験に頼るところが大きく,また,加工機の振動抑制が必要であるという課題も明らかとなった.以上を踏まえて,本研究はおおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,レーザ加工機の改良(高剛性化による振動低減)および最適加工条件探索のためのプロトコル開発を行う予定である.加えて,本研究室で開発したレーザ研磨技術で成型した工具を用いた切削実験を行い,同工具の切れ味や耐摩耗性について評価する予定である.
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Causes of Carryover |
レーザ加工機の剛性強化や軽量化などの改良に向けて予算の増額が必要となったため
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