2023 Fiscal Year Annual Research Report
磁性ナノ粒子と生体物質の融合による磁気相変化を利用した高感度バイオ検出
Project/Area Number |
21K04090
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
薮上 信 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00302232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺村 裕治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (10365421)
小林 伸聖 公益財団法人電磁材料研究所, その他部局等, 研究員 (70205475)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 凝集体 / 磁化率 / 磁気異方性 / 微生物 / タンパク質 / 抗原抗体反応 / ビオチンアビジン反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
液相中に磁性微粒子および磁性ナノ粒子と生体物質(モデル微生物等)を凝集させることで粒子間結合を増大させ、数10 GHz帯の超高周波磁気計測技術を駆使して、高周波磁化率、損失、強磁性共鳴、半値幅等を評価および制御できた。液相中磁性微粒子を凝集させて磁界印加による等価的な磁気異方性を凝集体へ付与した。等価的な磁化困難軸方向へ、外部磁界を印加し、リモートで高周波複素磁化率を評価した。その結果、高周波磁化率実数部は約1.4倍増大し、磁化率虚数部(損失)は約2倍増大した。これらは金属磁性薄膜等では異方性制御の常套手段であるが、これを液相磁性ナノ粒子凝集体に適用して、擬似的に固体デバイスのように制御できた。またビオチンアビジン反応によりモデル微生物であるポリマービーズを磁性ナノ粒子と結合および凝集させることにより、ダンピング定数が低下し、抗原抗体反応等による強磁性共鳴の変化を検出する新しい微生物検出法の可能性が示され、抗原抗体反応(ビオチンアビジン反応)等の生化学反応を固体物理学的アプローチにより評価・制御に成功した。これらの凝集体の磁化率等の磁気特性を評価する手法により、がん患者等の唾液から磁性ナノ粒子とFusobacterium Nucleatumを抗原抗体反応により磁化率を評価し、PCRとの90%以上の相関性(P<0.001)を得た。さらに磁性ナノ粒子とタンパク質(GDF15)との凝集体の評価により、高感度タンパク質検出(100pg/ml台)に成功した。
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