2022 Fiscal Year Research-status Report
SiC-MOS界面特有の散乱体の起源検証とその抑制によるチャネル抵抗低減
Project/Area Number |
21K04166
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
染谷 満 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60783644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 悠久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (10828122)
升本 恵子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60635324)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロセスインテグレーション / 原子的平坦面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、SiC-MOS界面のラフネスを従来よりも大幅に低減させることで、特異な散乱体の起源検証とチャネル抵抗の低減を行うことである。 令和4年度は高温熱処理によるバンチングで原子的平坦にしたSiC表面を維持しながら、SiC-MOSFETを作製するプロセスインテグレーションを行った。令和3年度に実施した、MOSFET試作のための各種プロセスが原子的平坦面に与える影響調査の結果、イオン注入後の活性化アニールにより平坦性が劣化することが分かったため、試作のプロセスフローにおいて平坦化熱処理は活性化アニールの後、ゲート絶縁膜形成前に実施することとした。ただし平坦化熱処理はエッチングを伴うため、イオン注入領域が消失する懸念があった。そこでSEMによるイオン注入領域の観察とAFMによる原子平坦化の確認を行い、イオン注入領域の維持と原子的平坦化が両立できる条件の探索を行った。 得られた条件をもとに原子的平坦化処理を行い、その後、①熱酸化膜、および②HTOによる堆積酸化膜を用いてゲート酸化膜を形成しMOSFETの1次試作を作製した。 作製したMOSFETの電気的特性を評価したところ、①の熱酸化膜品はスイッチング動作を示し、原子的平坦化処理を行ってもMOSFETを作製できることが実証できた。ただし熱酸化はSiC表面を荒らすため、移動度の向上は見られなかった。一方、②堆積酸化膜品は平坦性の原子的平坦性の維持はできたものの、堆積酸化膜の膜質に起因してゲートリーク電流が発生したため、スイッチング動作には至らなかった。堆積酸化膜の品質については他の装置を使用することで改善をする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度は概ね研究計画書の通りに研究を進められており、SiC表面の原子的平坦化処理を施した上で、MOSFETの1次試作を作製しスイッチング動作を確認できた。堆積酸化膜の膜質が悪いという課題も明らかとなったが、その代替となる酸化膜形成プロセスの目途もついていることから、概ね順調に進行しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は原子的平坦化処理を施したうえでMOSFET作製のプロセスインテグレーションを行い、MOSFETの1次試作を完成させた。1次試作により明らかとなった課題である堆積酸化膜の膜質向上を図り、最終年度はスイッチング動作と原子的平坦面維持の両立両立させ、平坦性の向上がMOSFETのチャネル移動度に与える影響を調査することで、特異な散乱源の起源検証を進める予定である。
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Causes of Carryover |
未使用額が発生した理由は研究進捗に応じた予算執行計画の変更、及び年度跨ぎの物品調達が発生したためである。次年度はこの未使用額を用いてAMF探針やSiCウェハ、MOSFET作製に必要な材料等の消耗品を追加購入して、研究を加速する。
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Research Products
(1 results)