2023 Fiscal Year Annual Research Report
突風時の気圧降下を考慮した屋根葺き材の耐風性能の解明
Project/Area Number |
21K04234
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 崇 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (80624395)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 突風 / 急激な気圧降下 / 数値流体計算 / 飛散 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,木造建物の屋根葺き材の突風による被害低減を目指す上で,突風時に屋根葺き材に作用する力および突風下での物体の飛散に着目し,突風時の気圧降下が屋根葺き材の耐風性能に及ぼす影響の解明および突風下での物体の飛散性状の解明を目的としている。 最終年度である2023年度は,立ち上がり時間の短い突風時の切妻屋根建物周りの風速場を数値流体計算によって求め,その風速を用いて切妻屋根面上の球の飛散シミュレーションを行うことで,突風時の物体の飛散距離について検討した。また,飛ばす球の重さや初速度を変化させ,条件によって飛散距離にどのような影響がでるのかを検討した。その結果,風速の立ち上がり直後に,物体が飛散開始した時の飛散距離は,風速が立ち上がり終わって十分に時間が経過した後に物体を放出した際の飛散距離よりも,長くなる可能性があることを示した。 研究期間全体としては,上記の突風時の物体の飛散性状に関する検討だけでなく,突風時の急激な気圧降下によって建物に生じる気圧差力の特性を明らかにすることを目的として,風速急変時に生じる気圧降下を利用した既往の突風風洞実験を模擬した数値流体解析,および解析モデルをより簡略化し,気圧降下を直接境界条件として与える解析モデルでの数値流体計算により,建物に複数の開口がある場合の内圧応答の評価方法を検討した。その結果,複数の開口がある場合の内圧は,複数の開口からの流入を考慮して,既往の内圧評価式を拡張した式により評価できることを示した。
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Research Products
(2 results)