2023 Fiscal Year Research-status Report
インド・カーンヘリー仏教石窟の僧院空間に関する研究
Project/Area Number |
21K04472
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野々垣 篤 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (10283392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カーンヘリー仏教石窟群 / 前期僧房窟 / インド |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の活動としては、まず昨年度末令和5年3月の春期休暇期間を利用して行った現地調査で得られたデータにより、カーンヘリー仏教石窟群の前期僧房窟の実測図の作成を8月までに行った。次に今年度の夏期休暇期間(8月23日~9月10の19日間)を利用して、もともと2年目実施予定の比較対象のムンバイ周辺およびコンカン地方の仏教石窟調査、3年目実施予定のカーンヘリー仏教石窟の補足調査の、2回に分けて行う現地調査を1度で行った。この現地調査ではデータ不足を補うと共に、部屋の高さ方向の寸法を追加で収集し、さらに僧房での生活に関わると思われるベンチ、ニッチ、窓、貯水槽等の遺構の記録を行った。そして比較対象としてのムンバイ周辺およびコンカン地方の古代仏教石窟遺構(クダー、ナドスル、コンダーネー、アンビヴァリ、ベドゥサー、カールラー、バージャー、コーンディヴテーの各石窟群)の現地調査も行った。 当初予定では令和5年度の今年度が最終年度であり、成果報告書の作成を行うところであったが、予定外の新型コロナのパンデミックの影響により令和3、4年度は現地調査を行うことが不可能となり、令和5年に2度の現地調査をまとめて行うことになったことなどにより、その後のデータ整理や分析、成果のまとめのための期間が不十分であることが明らかとなったため、令和6年度までの補助事業期間延期願を提出し、令和6年1月17日づけで承認を受けている。 令和5年度までの成果としては、上記の令和5年3月および8-9月に行った研究対象の実測調査を行った成果として、研究対象のカーンヘリー仏教石窟群の前期僧房窟69窟の内、これまで過去の文献では掲載されたことのない44の石窟の平面図の提示と共に、各石窟の平面構成について整理した「カーンヘリー仏教石窟群の前期僧房窟の未発表の平面図について」という研究ノートを仏教芸術学会に令和6年4月に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来令和5年度が最終年度であったが、コロナ禍等の理由で遅れ、結果として令和6年度まで延長することになったため。しかしこの1年間の延長を承認いただいたため、最終年度としては予定通りに進むであろうと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1年延期を承認され、最終年度となる4年目の2024年度は、これまで結果的に後送りになってしまっていた古代インドの仏教僧院における人々の活動に関わる文献上のデータの整理・分析として、(イ)古代仏教経典を含んだ僧及び僧院に関わる規則の把握、(ロ)法顕、玄奘等による旅行記等の記述の把握、(ハ)石窟等に刻まれた奉献碑文の内容の把握、の3つについて、成果をまとめるとともに、現地調査によって得られた僧房での生活に関わると思われるベンチ、ニッチ、窓、貯水槽等の遺構の記録や実測調査によって明らかになった古代の僧房窟の空間構成について得られた特徴を整理・分析し、この補助事業の成果報告書のとりまとめを行う。
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Causes of Carryover |
令和6年1月17日づけで補助事業期間を1年間延長を申請し、次年度の執行の予定としたため。
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