2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation into Mechanism of Damage Detection with Hydrogen and Development of Innovative Materials Diagnosis Technique
Project/Area Number |
21K04694
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
駒崎 慎一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (70315646)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素 / クリープ / 低サイクル疲労 / 欠陥 / 非破壊評価 / 余寿命評価 / 水素昇温脱離分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,低放射化フェライト鋼F82Hを対象に,種々の損傷度を有する低サイクル疲労試験材やクリープ試験材の水素チャージ後の水素放出曲線を昇温脱離分析法により測定し,損傷蓄積(寿命消費)に伴う水素放出特性変化に関するデータの蓄積を進め,寿命予測精度の向上を目指した.具体的には,550℃および650℃のクリープ試験材8サンプルの水素放出特性を新たに計測するとともに, 損傷に関与していると思われる水素放出曲線を抽出し,損傷メカニズムに立脚したクリープ余寿命評価について検討した. その結果,650℃/26.5MPa,tr=213,475hといった実機使用条件に近い低応力長時間側において水素放出特性がこれまで以上に大きく変化し,本手法が核融合炉内機器の損傷評価法として有用な方法であることを改めて確認することができた.また,各試験材の平行部およびねじ部の“転位組織に関連した水素放出曲線”を“実測された水素放出曲線”から差し引いた後,平行部とねじ部の差を取って“損傷に関連した水素放出曲線”を抽出し,その水素放出量CHCを求めた.得られた結果をLarson-Millerパラメータで整理すると,全体的には一本の曲線上に乗る傾向にあった.さらに,CHCを本学で提案しているYHパラメータに対してプロットすると,多少ばらつきはあるものの,損傷を反映しているCHCを試験条件や損傷度(t/tr)に依存せずYHパラメータで良好に整理できることがわかった.これは,温度と負荷応力が既知であれば,CHCの測定により損傷度(t/tr)を評価できることを示唆していた.
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