2021 Fiscal Year Research-status Report
食品加工残渣の亜臨界水処理における特性予測法の開発
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21K05469
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 敬 京都大学, 農学研究科, 助教 (70416311)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 亜臨界水 / 人工知能 / スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
食品加工残渣には種々の成分が含まれることから、亜臨界水中での単一成分(モデル成分)の変化について検討した。人工知能を活用した特性予測を実施するにあたり、数多くのデータを取得する必要があることから、データ収集の手段を検討した。 そして、定速昇温式反応器を利用し、糖類の種々の温度における亜臨界水処理を実施した。反応器の設計にあたっては、定速で昇温可能な大容量ヒーターを用い、反応器が迅速に昇温できるように工夫した。そこへガラクトース水溶液を供給し、亜臨界水処理を種々の温度において実施した。得られた処理液をフォトダイオードアレイ検出器に通液し、処理温度ごとの多数のスペクトルを得た。なお、スペクトルは0.1℃刻みの処理条件で得ることで、データ数を増やすことができた。これにより、人人工知能への適用に利用できる十分量のスペクトルデータを得られた。 得られたデータを特性データとして用いて、人工知能による解析で処理条件との関連付けを実施した。人工知能のライブラリとしてTensofFlowを用いて、処理条件と処理物の特性を関連付ける回帰分析が可能か検討した。実施した手法では、モデルの設計が不十分であり、結果的に関連付けが可能であるものの、更なる処理条件の拡張に備えるには不十分であることがわかった。そこで、モデルの設計に関して、レイヤーの数等を調整したり、活性化関数などの各種関数を変化させるなどして、より適切な関連付けが可能となるようにする必要があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工知能によるモデル系での処理条件と関連付けが、手法として妥当である可能性を示せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果より、亜臨界水処理における処理条件と処理物の特性の関連付けについて、人工知能の適用の可能性が示唆された。この結果に鑑み、今後は関連付けを改善・拡張し、モデル系にとどまらない種々の加工残渣への人工知能による解析の適用を試みる。
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Causes of Carryover |
人工知能のモデル構築に時間を要し、モデルの最適化を再度実施する必要があったことから、実施に時間を要したため。 次年度に、モデル最適化と拡張を行うために次年度使用額分を使用する。
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Research Products
(2 results)