2022 Fiscal Year Research-status Report
食品加工残渣の亜臨界水処理における特性予測法の開発
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21K05469
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 敬 京都大学, 農学研究科, 助教 (70416311)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 亜臨界水 / 速度解析 / 希少糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品加工残渣に含まれる成分のうち、糖類に着目して亜臨界水処理を検討した。前年度から今年度にかけて実施した手法では、反応モデルの設計に不備があり、結果的に関連付けが可能ではあるものの、亜臨界水処理条件を変化させながら非常に多くの実験点(データ)を取得する必要が判明した。しかし、手動による実験データの収集のため、実施数には限界があった。すなわち、機械学習のための特性データを十分数得ることが実験実施上困難であることが判明した。 そこで、方針を変更して、種々の糖類を緩衝液中で亜臨界水処理し、生じる生成物の分布を測定することにより、各種反応の速度定数を算出することとした。反応速度定数が判明すれば生成物の濃度変化を予測できるはずであり、より少ない実施数で反応系の特性予測を実施できるはずである。 ガラクトースをはじめとした各種還元糖を緩衝液中で亜臨界水処理すると、緩衝液濃度に応じて副生成物の生成挙動が異なり、緩衝液濃度が高いほど希少糖が生成しやすいことが判明した。一方、副生成物である有機酸生成も促進された。結果として、関連する反応速度定数は緩衝液濃度の影響を受けやすく、速度定数が大きく変化することが示唆された。食品は種々の塩類を含む緩衝液系と見なせるため、ここで観測された結果が食品加工残渣の亜臨界水処理において生起する現象を予測することに繋がることが示唆された。そして、残渣の加工において、希少糖が生成しうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初機械学習による糖の反応における特性予測を目指していた。しかし、機械学習に必要なデータ数を十分に確保できなかったため、速度定数を求める手法に変更を行った。その結果、希少糖の生成挙動が緩衝液濃度の影響を受けることが判明した。これらを総合することで、実際の食品加工残渣において生起する現象を予測できると見込めた。
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Strategy for Future Research Activity |
緩衝液を含む亜臨界水中での糖の反応が、残渣の亜臨界水処理における糖類の変化挙動を予測できる可能性が示唆された。そのため、今後、緩衝液の種類や温度、時間などの操作変数を変化させ、亜臨界水処理を実施し、速度解析する。そして、種々の加工条件における残渣の特性(希少糖含有率)予測に繋げる予定である。
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Research Products
(3 results)