2021 Fiscal Year Research-status Report
胎児期及び乳児期のオメガ3系脂肪酸は8歳のADHD様行動を改善するか
Project/Area Number |
21K05484
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安里 要 東北大学, 医学系研究科, 助手 (40848149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 輝江 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (80190932)
仲井 邦彦 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00291336)
龍田 希 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40547709)
鈴木 吉也 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30422116) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 母乳 / オメガ3 / ADHD |
Outline of Annual Research Achievements |
小児の注意欠如・多動症(ADHD)の症例が増加している。海外より、妊娠から授乳期のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(ω3系PUFA)がADHA予防に寄与すると報告されているが、我が国にADHDと脂肪酸栄養に関わるエビデンスは少ない。そこで、日本人でも胎児から乳児期のω3系PUFAが学童期のADHD様行動に影響するのか、大規模出生コホート調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の枠組みを活用し検証する。8歳のADHD様行動を注意集中機能検査により評価し、臍帯血ω3系PUFA、または乳児期のω3系PUFA摂取との関連性を解析し、脂肪酸栄養と小児神経発達に関わる栄養疫学的エビデンスの構築を目指す。 具体的には臍帯血ω3系PUFA濃度が高い場合に8歳のADHD様行動スコアが低下するか、母乳及び人工乳として摂取したω3系PUFAが多い場合に同じくADHD様行動スコアが低下するかの検証を行う。さらに、授乳の影響、ならびに粉ミルク中のω3:ω6比率の効果についても感度分析により検証を行うこととした。 母体血(妊娠中期)および臍帯血中の脂肪酸組成は既に分析済みであり、本研究1年目である令和3年度は母乳中の脂肪酸組成値の再評価を行なった。その他の共変量である家庭環境や母親のIQなどのデータは既に収集済みである。アウトカムとなる8歳のADHD様行動は、エコチル調査で実施中のCPT(Continuous Performance Test)検査を用いる予定のため、現在はデータの収集を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は母子約300組の母乳中の脂肪酸組成について数値の再確認を行なった。その他、児の基本属性(性別、出生体重)、母親の基本属性(年齢、BMI)、社会経済的要因(学歴、収入)等の共変量となるデータ、使用した粉ミルクの種類と期間、母のIQ(Raven)、家庭育児環境、母自身のADHD傾向スコア(CAARS)を収集済みであるため、これらのデータ整理および連結作業を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアウトカムとなる8歳でのCPT検査でのデータの収集を進める。また、出生1ヶ月および6ヶ月に使用した調製粉乳の使用状況や脂肪酸組成についてのデータ整理作業を行い、児の身体計測値や発達検査結果、母乳中脂肪酸組成、母体血・臍帯血脂肪酸組成結果等との関連性について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究分担者との打ち合わせはオンラインのみで行ったため、交通・宿泊費等は発生しなかった。次年度は得られたデータの統計処理のためパーソナルコンピュータおよびソフトウェア等の購入を予定しており、学会参加のための交通・宿泊費等、その他(論文校正等)の項目について使用する予定である。
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Research Products
(2 results)