2023 Fiscal Year Annual Research Report
無核化処理により「シャインマスカット」の香気成分組成が変化する分子機構の解明
Project/Area Number |
21K05560
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本多 親子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40343975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 良弘 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20398390)
田中 福代 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, ユニット長 (50355541)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブドウ / シャインマスカット / 無核化処理 / 香気成分 / GC-MS / ストレプトマイシン / ジベレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
「シャインマスカット」を用いて、無核化処理を行ったが種ありとなったの果実と、無処理で種ありとなった果実の香気成分を比較した結果、無核化処理の種ありの果実の香気成分プロファイルは、無核化処理の種なし果実に近いことが明らかとなった。したがって、無核化処理区と無処理区の香気成分プロファイルの違いは、種子の有無よりも植物成長調節剤による無核化処理の影響の方が大きいことが示唆された。 収穫後の「シャインマスカット」と「巨峰」の果実にジャスモン酸を散布し、香気成分プロファイルの変化について調べた結果、ジャスモン酸散布の影響はほとんどないことが明らかとなった。 本研究課題により、1)「シャインマスカット」では、無核化処理を行った果実と行わない果実の香気成分プロファイルは、成熟初期には大きく異なるが成熟が進むにつれ差が縮まること、2)「シャインマスカット」における無核化処理を行った果実と行わない果実の香気成分プロファイルの比較により、無核化処理の有無により香気成分プロファイルが異なる要因は種子の有無よりも植物成長調節剤の影響の方が強いと示唆されること、3)「シャインマスカット」のRNA-sequencingデータに対して主成分分析を行い遺伝子発現プロファイルを比較した結果、成熟初期では無核化処理区の果実は無処理区よりも早く成熟し、成熟が進むに連れて無核化処理区における発現変動遺伝子数は減少すること、4)収穫後の「巨峰」および「シャインマスカット」の香気成分プロファイルに対するジャスモン酸散布の影響はほとんどないこと、が示された。
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