2022 Fiscal Year Research-status Report
球根植物における球根形成および休眠導入の分子機構の全容解明
Project/Area Number |
21K05577
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
増田 順一郎 宮崎大学, 農学部, 准教授 (60452744)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | レンコン / ユリ / 球根形成 / 休眠導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
食用ハスの根茎を使用してRNA抽出法の検討を行った結果、根茎への最適な抽出法を決定することができた。トランスクリプトーム解析を行う予備的実験として、植物ホルモンに着目し解析を進めた。その結果、GA20oxは4種の相同遺伝子のうち少なくとも3種以上、GA3oxは5種の相同遺伝子のうち3種以上、GA2oxは9種の相同遺伝子のうち少なくとも5種以上の遺伝子の発現が確認された。一方、ZEPは3種の相同遺伝子のうち少なくとも1つ、NCEDは5種の相同遺伝子のうち少なくとも1種、SDRは1種の相同遺伝子のうち少なくとも1種、AO遺伝子は3種の相同遺伝子のうち少なくとも1種、ABA8’-OHaseは7種の相同遺伝子のうち5種の遺伝子が発現していた。来年度はトランスクリプトーム解析と植物ホルモンの発現量解析の結果を踏まえて、球根形成に関与している重要な遺伝子を選定していく予定である。 テッポウユリおよびタカサゴユリでは、播種後の発芽率が低く、十分なサンプリングが実施できなかったため、今年度は球根休眠性に関する基礎的知見を集めた。テッポウユリおよびタカサゴユリの実生を5月中旬に定植し、1週間ごとに展開葉数を調査した結果、テッポウユリでは早いもので定植6週間後から休眠に入る個体から、定植14週間後から休眠に入る個体まで観察され、休眠導入時期にばらつきがあった。一方、タカサゴユリでは休眠に導入することなく、抽苔・開花まで順調に展開葉数を増加させた。この結果をもとに、トランスクリプトーム解析用のサンプリングを行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レンコンのRNA抽出法に問題が生じたため、最適なRNA抽出法の選定を行った。また、テッポウユリおよびタカサゴユリでは、播種後の発芽率が低く、十分なサンプリングができなかったため、来年度に再度サンプリングを行うことになった。その結果、研究計画に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、トランスクリプトーム解析により、球根形成における分子機構の全容解明と休眠導入における分子機構の全容解明を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の実験計画より遅れたため、次年度使用額が生じた。
|