2021 Fiscal Year Research-status Report
気候変動時代に大阪湾岸で水とともに暮らす新しい沿岸空間モデルの構築と提案
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21K05656
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
村上 修一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (60283652)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | resilience / abnormal weather / disaster prevention / water-friendliness / landscape urbanism / 異常気象 / 防災 / 親水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究対象地域の大阪市5区(西淀川区,此花区,港区,大正区,住之江区)において,現在の沿岸空間の類型を明らかにすることを課題として,以下の内容に取り組んだ。 まず,Google Earth の俯瞰景と地上景の両方により,対象地域の沿岸空間の状況を確認し,GISを用いてデータベースを作成した。断面形(水平盤・傾斜盤・台形・直立壁),利用形態(堤防・港・事業所・公園緑地),背後地の種別(住宅・事業所)の違いで区別して記録したところ,227の線データ(ラインフィーチャ)が得られた。さらに,水域の眺望性や接近性のある場所として,180の点データ(ポイントフィーチャ)が得られた。 次に,これらのデータの精度を高めるために現地踏査を行った。ただし,港や事業所の用地が水域まで占めている区間には立ち入ることができず,自由に往来することの可能な街路に接した区間に調査範囲は限られた。断面形を記録することに加えて,水域に対する接近性と可視性の有無およびその影響要因も記録した。 その上で,水域に対する接近性が特に高いと認められた24ヶ所について断面図を作成し,研究代表者が管理するホームページに掲載し公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象地域を含む大阪市一帯に,まん延防止等重点措置がとられるなど,新型コロナウイルス感染症感染拡大の状況が続き,感染拡大防止の観点から,研究者や研究補助者が現地踏査を一定期間控えざるを得なかった。そのため,現地踏査が未だ完了していない区間が残っており,沿岸空間の類型化が完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象地域における新型コロナウイルス感染症の状況を見据えながら,2022年度前半に現地踏査と類型化を完了させる予定である。同時に,2022年度の目標である,沿岸空間の利用実態の把握にも取り組む。利用実態の把握については,当初,現地における行動観察を中心に調査を行う予定であったが,感染予防の観点から人との接触機会を減らす必要性に鑑み,位置情報やソーシャルメディア情報の収集,4K動画撮影,土地や施設の利用形態からの判断など,本研究の目的に応じた適切な調査方法について検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大により,現地踏査を控えた期間が生じ,現地との間の往復旅費に余剰が生じたため。
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