2023 Fiscal Year Research-status Report
佐渡島をモデルとした耕作放棄及び自然災害が里山生態系に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
21K05826
|
Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
満尾 世志人 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90736951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 研究教授 (00399354)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 耕作放棄 / 生物多様性 / 里山 / ため池 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の里山は全球的な生物多様性ホットスポットであるが、耕作放棄や気候変動に伴う自然災害の増大によって中山間地を中心にその構造は大きく変化してい る。日本政府や国連は、持続可能な農業への転換を地球環境問題における最重要課題の一つとしている。申請者は水田生態系における魚類の動態について解析を 進めてきており、放棄地周辺でドジョウの生息確率低下することを見出した。本年度は、ため池における代表的な維持管理作業である池干しに注目し、池干しの頻度が生物相に与える影響について明らかにすることを目的とした。長野県上田市に位置する26のため池を対象に生物相と管理状況に関する調査を実施した結果、管理頻度は魚類と甲殻類の種数と負の関係が認められ、高頻度の池干しによる累積的な影響が群集集合を妨げていると考えられた。また、ウシガエルの個体数は池干し頻度の高い池ほど少ない傾向が認められ、幼生で越冬する本種の防除策として池干しが効果的であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな調査サイトの設定は進んでいるが、想定していたサンプルを得ることはできていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
選定した新たな調査サイトにおいて比較可能なデータを得るとともに、当該調査地においても単独で解析可能なサンプルを得る。
|
Causes of Carryover |
新たに選定したサイトにおける調査及び異動に伴い遅滞していた出張を伴う現地調査(2回を予定)を計画している。とくに後者について作業補助者への謝金支払いも予定している。
|
Research Products
(2 results)