2021 Fiscal Year Research-status Report
Plant monitoring by apoplastic reactive oxygen species
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21K05854
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
安保 充 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00272443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 紳一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10415739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アポプラストROS / ストレスモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では植物根のアポプラストROSをモニタリングすることにより,植物が感知しているストレスを類型化して捉え,植物の生育促進につなげることを目的としたものである。植物のストレス応答を定量的かつ高い時間分解能でモニタリングすることは,植物工場などの作物生産に資するデータが取得できる可能性があり,またアポプラストに拡散していくROSを高感度に分析することは分析化学的にも挑戦的なテーマである。 本年度はまず,根から放出されるアポプラストROSの検出デバイスの作製等の検討を行った。具体的には,1・HPLCの蛍光検出器とポリジメチルシロキサン(PDMS)デバイスを組み合わせた系,2・蛍光顕微鏡とPDMSチップを組み合わせた系の作製である。前者はPDMSを利用してデッドボリュームを少なく抑えた植物根インキュベートデバイスを作製した。ROSを検出する蛍光プローブを,シリンジポンプを用いて50 -100μL/minの流速で送液し,ダイズ根のアポプラストROSの確認を行ったが,現時点ではまだ再現性のあるデータが得られていない。一方,後者はPDMSの重合時に200 μLチップを埋め込み,植物体を支えるためのガイドの付きのPDMSチップを造形した。根端を溶液に浸漬するウェル容量は約75μLで,蛍光プローブ溶液を貯めてダイズ芽生えの根端から放出されるアポプラストROSを検出した。その結果,根の自家蛍光の影響を受けない根近傍(根端から1 mm以内)において,蛍光の増加が1分以内に確認できた。また,5分程度の蛍光画像の連続データをImageJで処理することにより,バッチ型でのモニタリングが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アポプラストROSの計測に関して,まず分析に適したPDMSチップの造形,作製を行い,次にダイズ芽生えを用いてバッチ式で得られた溶液を,ESRスピントラップ法,あるいは蛍光プローブを用いた方法によって確認した。 植物根のストレス応答の類型化にはモニタリングデータの取得が不可欠であるが,現時点でフロー型におけるアポプラストROSのモニタリングは達成されていないため,若干の遅れが出ている。原因は,植物根をインキュベートする部分がオープンであるため,2台のシリンジポンプによる吐出と吸引,流路にかかる圧力と流径の調節など,送液制御の最適化に時間がかかった。また,根が細く小さなシロイヌナズナなどの植物種では個体別のアポプラストROS量を計測できておらず,拡散による蛍光強度の低下や,アポプラストROS量が植物種によって異なる可能性が考えられ,検出方法の更なる高感度化が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
継続的なアポプラストのモニタリングを行うため,ダイズ芽生えを用いてフロー型で蛍光顕微鏡による検出条件を見出し,流速やプローブ濃度の最適化を行う。また,根の細いシロイヌナズナの個体別アポプラストROSの計測を行い,検出感度の向上,流路,流速の最適化を行う。具体的には顕微鏡の対物レンズの倍率をx4倍からx10倍,x20倍と上げることで,ある領域の平均化された蛍光強度から,より特異的な狭い部位での蛍光強度をモニタリングすることを計画している。また,光量の低下が少なく,蛍光プローブの励起蛍光波長に適したフィルターセットがないか,比較検討を行い,感度の向上を目指す。
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