2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of microRNA-mediated regulation of pituitary cell differentiation
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21K05982
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
中村 和昭 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 薬剤治療研究部, 室長 (80392356)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 下垂体 / 発生 / 細胞分化 / 下垂体前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、下垂体ホルモン産生細胞分化におけるmicroRNA(miRNA)の関与を明らかにし、これまで明らかにされている転写因子カスケードによる下垂体細胞分化に対してmiRNAがファインチューナーとして機能している可能性を検討することを目的とした。 これまでの検討から、に成長ホルモン(GH)発現細胞において、miRNAのみのプロセッシング行う酵素であるDGCR8を欠損させたGH-cre/Dgcr8-floxマウス(GH産生細胞からDgcr8を欠損したマウス)を作出しているが、本マウスにおけるGH産生細胞の減少と甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生細胞の増加を見出した。この結果は前駆細胞が共通と考えられるGH産生細胞とTSH産生細胞の分化方向性をmiRNAが制御している可能性を示すものである。本現象に関わるmiRNAの同定とその制御機構を明らかにするため、野生型マウスとGH-cre/Dgcr8-floxマウスの下垂体におけるmiRNA発現を比較したが、有意なmiRNA発現の差はみられなかった。しかし、下垂体全体を対象としたことから、GH/TSH産生細胞の分化に寄与するmiRNAの検出ができなかったと考えられる。現在、GH-cre/Dgcr8-floxマウスにおいてGH産生細胞を蛍光標識可能なレポーターマウスの掛け合わせを行っており、野生型およびGH-cre/Dgcr8-floxマウスのGH産生細胞でのmiRNA発現変動の解析を予定している。 本研究を通じて、マウス下垂体発生過程におけるmiRNA発現の変動を明らかにし、GH発現細胞におけるmiRNAの欠損はGH/TSH産生細胞の分化方向性を乱す可能性があること、GH産生細胞の分化誘導にmiR-200Cが関与している可能性があることを見出した。
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