2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification of epigenetic regulatory system for phenotypic plasticity of "hot-spring frog"
Project/Area Number |
21K06125
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井川 武 広島大学, 両生類研究センター, 助教 (00507197)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 肇 広島大学, 両生類研究センター, 教授 (10273856)
鈴木 誠 広島大学, 両生類研究センター, 助教 (10533193)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | エピジェネティック制御 / 両生類 / ゲノム / 表現型可塑性 / マイクロCT / 環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は温度に対して適応的な表現型が誕生するプロセスを解明するため、西南諸島に産するリュウキュウカジカガエルの表現型可塑性について、遺伝子発現のエピジェネティック制御機構とその進化的意義の解明を目指している。本年度はマイクロCTを利用した形態変化の三次元比較解析及び、ChIP-seqによるヒストン修飾の標的領域の比較解析を計画していた。しかしながら、新型コロナウィルス感染防止の観点から離島でのフィールドワークが行えず、実験に供するリュウキュウカジカガエルを得ることができなかった。したがって、そのため、比較対象とするカジカガエルにおいてリュウキュウカジカガエルにおいてサンプルを調整するとともに、リュウキュウカジカガエルと同様にRNAseqによる遺伝子発現解析を行った。これらのサンプルはマイクロCTにおける軟骨組織の染色方法を検討するため複数の方法で固定しており、これを利用して表現型可塑性の三次元観察に適した方法を決定する。また、当初予定していた解析ができなかったため、情報解析において必要となるリファレンスゲノムの整備に取り組み、長鎖塩基配列決定を行って既存のデータと併せて再度、新規ゲノムアセンブリを行った。その結果、リュウキュウカジカガエル、カジカガエルともにScaffold長のN50値が100万塩基対を越える連続性の高いゲノム情報の整備が完了した。次年度以降にサンプリング予定地域での研究活動が可能になり次第、当初予定していた実験課題に取り組む予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染防止の観点から離島でのフィールドワークが行えず、実験に供するリュウキュウカジカガエルを得ることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も十分なサンプルが得られないことを想定して、リファレンスゲノムの完成を優先して研究を進める。次年度以降にサンプリング予定地域での研究活動が可能になり次第、当初予定していた実験課題に取り組む。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染防止の観点から離島でのフィールドワークが行えず、生態調査及び、分子生物学的実験が行えなかったため次年度使用額が生じた。次年度以降に当該生態調査及び、分子生物学的実験を行う際に使用する。
|