2022 Fiscal Year Research-status Report
LTR型レトロトランスポゾンの配列特異型転移特性の進化機構の解明
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21K06284
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
河邊 昭 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (10582405)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / トランスポゾン / 動原体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アブラナ科植物におけるトランスポゾンファミリーの存在様式の調査をおこなった。シロイヌナズナ属で見つかった動原体領域をターゲットとするトランスポゾンファミリーについて、アブラナ科の植物を対象として、進化解析をおこない、類似の配列が広く存在することを確認していたが、このうちいくつかに関して、コピーのゲノム上での分布を調査した。動原体領域とそうでない領域に存在するグループが共存種を見出した。一部は次世代シークエンスによって新規転移を同定した。動原体をターゲットとする転移特性がアブラナ科の中では祖先型であることがはっきりとし、その中で転移特性が変化したグループが独立に出現していることがわかってきた。今後、系統間の違いや発現解析をしていくことで動原体をターゲットとする機構の進化様式と分子機構の解明を目指したい。 またシロイヌナズナを材料として、これまでに研究が進んでいた系統とは別の系統を利用して新たなグループを調査している。すでに系統間で挿入位置が異なる配列が多くみられるグループや、最近コピー数を増やしたと思われるグループを複数見出している。これらの系統について低メチル化剤処理や低メチル化変異の導入によるトランスポゾンの活性化を試みたところ、新規転移を確認することができた。現在までに新規転移は少数しか確認できていないので、今後はさらに世代更新を進めることに加えてデータ量を増やすことで転移可能なコピーの特定、その特性の調査をおこなっていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ解析について複数種、複数系統の解析が終了している。新規転移の確認を進めているが、世代更新が予定よりは遅れているが、解析が可能なものから実験をおこなっている。 解析対象とする近縁種を限定し、世代更新をさらに進めていくことで最終年での取りまとめを進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では転移能を持つコピーについて、シロイヌナズナに形質転換することで実際の転移を確認する予定であった。しかし、多くのコピーが大腸菌でのクローニングが困難なことがわかり、元の植物での低メチル化剤の処理による転移の誘導と特性の確認に方針を変更した。まだ、少数の結果しか得られていないが、低メチル化剤の処理により実際に転移を確認することで転移可能なコピーの同定と転移特性の解析が可能であることがわかってきた。 今後は、データ解析の結果をもとに解析対象を限定して詳細な解析を進めることでアブラナ科全体の状況の理解を進めていく。
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Causes of Carryover |
本年はデータ解析を中心に研究をおこない、分子生物学的な実験をおこなう対象を選定する作業が中心となった。 実験はごく少数の解析にとどまり、使用した器具や試薬などは前年までに購入したものを使用した。結果として、予算の執行が必要ではなく来年度に繰り越して、より多くの試料の解析をおこなうこととした。 来年度は次世代シークエンス解析に使用する試薬・キット類の購入が主な支出になる予定である。
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