2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and management of the KAG herbarium database for the flora of Kagoshima
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21K06307
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田金 秀一郎 鹿児島大学, 総合研究博物館, 特任助教 (10616080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英治 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 特任教授 (10128431)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物標本 / データベース / 鹿児島大学総合研究博物館 / タイプ標本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①鹿児島大学総合研究博物館植物標本室(KAG)の植物標本のデータベース化と公開を推進し、②未記載の分類群に関する情報の収集・整備、および分類学的検討、③収蔵するタイプ標本の整理・公開、④鹿児島県絶滅危惧種・外来種の客観的指標の整備を行うことを目的としている。 2021年度は、①について17,275点の植物標本をデータベースに登録し、処理を終えた5,278点の標本のデジタル画像をインターネット上で公開した。年間を通して1,875件の閲覧利用があった。また、全国の自然史系博物館の標本情報を集約するサイエンスミュージアムネット(S-Net)へ12,000件の標本情報の提供を行った。②については、対象となる未記載分類群の情報や標本の整理を進めるとともに、国内では新種ブンゴギボウシと新亜種ヤクシマルリアジサイやノミノキンチャクの1種2亜種、国外ではキツネノマゴ科1種1変種、クスノキ科3種、キク科1種、マメ科1種、ノボタン科1種の新分類群の記載を進め、論文発表した。③については、KAG標本を基に自身が記載した分類群も含め、新たに18点のタイプ標本を確認した。④については、KAGおよび全国42館が収蔵する鹿児島県産の植物に関する情報を収集し、231科1,139属3,450種3,914分類群について、それぞれ採集年や絶滅危惧のランクや在来種/外来種情報を整理して県内における分布図を作成し、「鹿児島県の維管束植物分布図集」として全県版、奄美群島版の2冊の出版を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は新型コロナウイルスの流行に伴い、トカラ地域など離島をはじめとする現地調査や主要な国内標本館の標本調査が大きく制限されて実施できない部分もあったが、その分、初年度は未整理標本の整理とそのデータベース化に注力し、鹿児島県の維管束植物を網羅的に把握することのできる分布図集の出版まで行うことができた。未記載の分類群やKAGが所有するタイプ標本についても、データベース化が進むにつれて順当に確認され、未記載種の一部は新分類群として記載を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の方針としては、第一に館内の未整理の植物標本についてデータベースへの登録とその公開を継続して推進する。未記載の分類群に関する研究については花や果実、胞子のある適切な時期を狙って現地調査を行い、標本資料の蓄積を行い、研究を遂行していく。タイプ標本の整理については原記載や他の標本館に収蔵されている関連標本を確認し、可能な限りタイプの種別まで特定し、データベースの構築とその公開を行う。
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Causes of Carryover |
標本データベース化を行う技能補佐員の人件費について新たに確保できた他予算から一部拠出し、また新型コロナウイルス禍で野外調査や博物館等における標本調査が実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。人件費については次年度・最終年度を見据えて計画的に拠出していき、野外調査と標本調査については移動制限が緩和され、調査が実施できる状況になった際に、当初の研究課題を推進する予定である。
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Research Products
(6 results)