2021 Fiscal Year Research-status Report
Development study on pathological predictive biomarkers for cancer treatment
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21K06900
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
元井 紀子 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 病理診断科, 医長 (70292878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 源一郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (00270869)
吉田 達哉 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (10729338)
大江 裕一郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 副院長・呼吸器内科長 (20233041)
田丸 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30188429)
白澤 昌之 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, がん専門修練医 (40898996)
青木 一教 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (60270675)
吉田 裕 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (70750751)
河野 隆志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80280783)
渡辺 俊一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (80303303)
浜本 隆二 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80321800)
神田 浩明 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 病理診断科, 科長(兼)部長 (90260067)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 形態学的バイオマーカー / 治療効果予測 / 病理組織 / デジタル病理学 / AI病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの精密医療には、バイオマーカーによる最適な治療法の選択が肝要である。本研究の目的は、ICIを含む治療効果を予測するための病理学 的指標の確立と、実用化に向けての評価方法の最適化である。申請者らは、これまでに肺癌組織の形態学的特徴量は、治療効果、再発、生存 期間と関連することを見出し、従来のバイオマーカーPD-L1とは独立した「形態学的バイオマーカー」として有用なバイオマーカーであることを提唱している。本研究では、臨床応用へ向けて「形態学的バイオマーカー」の評価方法の最適化を目標とする。これまでの研究により実用化に向けての課題として挙げられているi) 形態評価の客観化と 再現性、ii) 腫瘍微小免疫環境(TME)の評価法の最適化の研究を進めている。 今年度は、課題i)の検討のために、非小細胞肺癌の病理標本をデジタル画像化し、共有する体制を整えた。次年度以降に複数の病理医による形態評価を進め、再現性について検索を進める。課題ii)については、非小細胞肺癌、食道がんを用いて、免疫染色によりTILを中心に密度と分布を検索した。肺の大細胞神経内分泌癌は、TIL、特にCD8が予後と関連することが示された。食道がんの少数例の解析では、術前治療の有無でTMEに違いがあり、治療によるTMEが変化する傾向があった。次年度に症例を増やし、また治療前後の比較を行い、検討を進める。大切片における腫瘍内不均一性の検討では、治療例では不均一性が大きいが、無治療例では少なかった。無治療例の場合、生検検体を用いるTMEの評価法は許容できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動により、研究体制の整備に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1 形態学的バイオマーカーの評価法の最適化の探索として、a)b)c)の検索を推進する。 a) 形態学的バイオマーカーの病理再現性の検討:前年度に整備したデジタル病理画像評価システムを用いて、病理医による目視判定の評価者間再現性の検討:に蓄積した治療反応性 の紐づいた腫瘍組織(252例)のデジタル画像を用いて、複数の病理医間の目視判定の再現性を検討する。検討項目は、HE染色のがんの組織型 、がん組織所見に基づく病理予測インデックス、PD-L1 IHCの陽性率とする。b)AI画像判定の性能と再現性の検討:ICI治療効果の付随する複数施設の腫瘍検体を収集し、AI画像解析による治療効果予測性能を検討する。またAI画像解析は、深層学習と特徴量解析を行い、a)の病理医中央判定との相関を検索する。将来的には、形態学的バイオマーカーのAI自動判定を目指しているが、深層学習と特徴量解析を比較して、性能と安定性のバランスのよいモデルの開発方針を見極めたい。c) PD-L1, TMBとの性能比較:既存のバイオマーカーであるPD-L1, TMBとの性能比較を行う。 2 病理検体を用いた腫瘍微小免疫環境の評価方法の最適化 前年度までの成果として、TILの評価方法は確立しつつあるが、検索する抗体数、組み合わせ、評価対象領域(腫瘍胞巣、腫瘍間質)や評価面積などの基準は検討課題である。腫瘍局所免疫として重要な他の免疫細胞の状態を免疫染色にて検索し、実臨床に応用可能な最適な組合せと評価方法を探索する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動に伴い研究体制の構築に時間を要したため、当該年度の研究が次年度繰り越しとなった。
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[Presentation] 神経内分泌腫瘍の診断と治療 進行/再発肺大細胞神経内分泌癌における,Pd-1阻害剤の効果と腫瘍免疫微小環境との関連についての検討,2021
Author(s)
白澤 昌之, 吉田 達哉, 関根 克敏, 神田 慎太郎, 松元 祐司, 増田 健, 新野 祐樹, 大熊 裕介, 後藤 悌, 堀之内 秀仁, 山本 昇, 渡辺 俊一, 元井 紀子, 大江 裕一郎.
Organizer
第62回日本肺癌学会学術集会
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[Presentation] 進行期NSCLCにおける悪液質の病態およびPembrolizumab治療効果の関係2021
Author(s)
徐 仁美, 吉田 達哉, 柳下 薫寛, 堀之内 秀仁, 松元 祐司, 新野 祐樹, 大熊 裕介, 後藤 悌, 山本 昇, 元井 紀子, 大江 裕一郎
Organizer
第62回日本肺癌学会学術集会